そうだ、台湾いこう(書籍化版)

今日の旅メモダイジェスト 2017.3.5 羅東〜花蓮

9時起床。このホテルの朝ごはん会場は1階の駐車場片隅にあった。前回来たときは当然ながら台風で朝ご飯どころではなく、緊急弁当をピクニックのように同室の3人寄り合って食べていたのがこれまた懐かしい。

ほんの少しフルーツを食べればいいやと思っていたけど、一泊3,000円の朝食にしてはなかなかのラインナップ。おかずが何種類もあって、お粥やご飯、パン、蒸しパン、いくつかのトッピング。ルーロー飯用の肉みそをお粥にかけて、豆漿とおかずのちょい盛りで豪華な朝ごはん。

朝食が終わって外に出るとすぐ左の自動ドアが開いて男の人が出てきた。その向こうには大量のパチンコ台。やっぱり!パチンコ屋やったんか!これでいろいろ納得!

チェックアウトして荷物を預ける。例の顔見知りの受付のお姉さんが、9月に東京に旅行に行くらしく相談を持ちかけられた。最近は安いホテルはなかなか取れないし値段上がってるんだよねえ、なるべく山手線の外出た方がいいよ〜。

荷物を預けて林業文化園へ。1人のおじいさんに話しかけられた。あっ日本人ですう、とヘコヘコすると「日本人!?」と流暢な日本語で驚かれる。「わたしはねえ、台北の松山区から来たんだけどねえ、あなたは観光バスできたの?ひとり!?」おじいさんは団体ツアーの観光バスの場所がわからなくなってしまったらしい。「あれは見たことあるな、じゃああっちか?」と完全に記憶ベース。お手伝いしようとしたけど「まあ、わたしは聞けばいいから。あなたは自由でいいね!団体ツアーだと大変だ」と、ひゃひゃひゃと笑いながら消えてしまった。

羅東林業文化園區には大きな湖、というか池があって中央の小島に大きな鳥たちが沢山巣を作ってモコモコしている。ここは盛んだった頃の林業文化を伝える公園で、ここから出発していた小さなSLや客車が置いてあったり、古い線路がそのままにしてあったり、という緑いっぱいの公園。

朝食もこなれたところで、公園の真横にあるお目当ての林場肉羹へ。出てきたのは片栗粉でドロリとしたお碗いっぱいのお肉スープ。あんかけというよりはもっとドルンドルンした感じ。これはうまい!テーブルの上にあった唐辛子をかけて、ものの3分で完食。

昨晩夜市の帰り道にふと見上げて見つけた気になるお店「古古日常」に立ち寄ってから移動しようかな、と思ったけどまだ開店前。「隱藏版小咖啡 Lil.Secret.Cafe」というなんだかとってもオシャレなカフェに入ってレモネードを頼む。どれくらいオシャレかというと、店員のお姉さんが完全にカヒミカリイである。まあ、一歩外に出たらやっぱりバイオハザードの犬とかがいるんだけどそのギャップが面白いよね。

さて、13時になったので「古古日常」へ。ガラーンとした広い空間に70年代の古着が少し、家具や雑貨も。奥の窓際はレトロなソファやテーブルになっている。お客さんはベレー帽に古着のワンピースを着た女の子など。あんまりこの手のレトロは好きじゃないので、サササと回ってチラ見だけして降りた。

花蓮行きの切符を買って電車に揺られること1時間半、トンネルを沢山抜けてグググと南下し、これまた2年ぶりの花蓮に到着。前回と同じく駅前のホステル。激安だし、レビューいいし、とまたここにした。奮発してダブルベッドにしたのに部屋がまた狭い…ガッカリ。

さて、洗濯洗濯。前回で勝手知ったるこのユース、1番上の階に洗濯機と乾燥機があるのを知っていたのでここまで洗濯物をバッチリ溜めてきたから明日着るものありません。何なら今晩のパンツもありません。ゴンゴン言う巨大洗濯機に30ドルで30分、そのあとは乾燥機に40ドルで40分。腹減ったので晩飯に外へ。

「新站虱目魚專賣店」に入る。虱目魚のスープは主に3タイプ、魚の背開き丸ごとの「肚湯」、団子にした「丸湯」、身の残る皮を具にした「皮湯」がある。初心者なのでよくばりに肚湯90ドルの1番高いやつ。魚の丸ごと感がちょっとエグめな虱目魚肚湯は、身と皮がぷりぷりで優しい美味さ。小骨もなくてヒレ以外完食。

リベンジで西瓜大王にスイカジュース買いに行ったら、降りた場所にはちょうど "かもにく先生"こと「鵝肉先生」があった(鴨ではありませんが私の中では通称かもにく先生になっています)。かもにくせんせーい!おげんきでしたかー!

「花蓮日日」は一階が雑貨店、上がゲストハウスになっているいまどきの意識高いビル。ナチュラルな一階の雑貨店に入ると食器やキッチンツールなど台所用品が主に置かれているのだけど、日本の釜浅商店の中国語訳道具本が置いてあったり。日本のものって人気あるよねえ。

次にここからすぐ近くの「orip生活旅人工作室」へ。雑貨屋さんね、と思って大して期待もしないで入ったのにハマってしまった。ここも昔の建物を生かした西荻にでもありそうなレトロな外観のショップ。文具やアジアらしいほっこりファンシー雑貨、陶器や花蓮産のセレクト食品、山岳民族の作ったアクセサリー、竹のキッチンツールなど、さっきより少し大人なセレクトだったのでとっても面白かった。

現地ならではの逸品がなにげなく揃っていて重さや脆さに弱いバックパッカーの泣きどころをついてくる。今回はさすがに帰りは追加料金で荷物預けだなあ。

台湾の東側は各地で農産物の特産品があるものだから、後ろ髪引かれてとても困る。毎日がアンテナショップ。名産ハイビスカスの蜜漬けと、色が気に入った山岳民族の編んだ革小物を買った。この先もこの調子で悩むのかと思うと先が思いやられるぜ…。

花蓮自強夜市へ。台湾に行くと楽しみにしている夜のお楽しみだけれども、さすがに3日連続で夜市は辛い。晩飯は夜市。ホテルはリバーサイド。祭りも毎日行くとさすがに飽きるしワクワク感が4割減。

花蓮の夜市は、「福町夜市」「大陸各省一條街」「原住民一條街」そして「自強夜市」と4つが連なった夜市だった。これが夜市?浅草じゃね?新しーい。なんかちがーう。これはモールに近い。全部フードコートのショッピングモール。ここに丸亀製麺とかCoCo壱入っていても違和感ない。ただ原住民系(と言っても普通の人ですよ)のお店でちょっと違うものを試してみるのはいいかもね。

途中「公正包子」を通りかかったので小さな肉まんを2個だけ買ってほおばりながら歩いた。皮が分厚いのでたった2個でも結構なボリューム。10ドル、40円のおやつ。

丹念なGoogle検索の結果今夜の探索に決めたのは「Ginsman Bar 琴詩酒吧」。1年ほど前にできたばかりらしい。若いウェイさんお一人がキチンとしたベストを着てカウンターにいた。インテリアもまだ新しい。英語が通じるのでまずはウイスキーソーダを一杯。グレンフィデック12年。

ウェイさんはいいバーテンさんだと思う。英語もよくしゃべるしユニークで話の引き出しが多い。肯定も否定もする、普通のお友達みたい。日本には一度もきたことがないそうだけど、京都のバーテンダー友達になんでこないんだよっていっつも言われるんだよ。あれが見たい、とメモに信長と書いた。「は?」と言うとどうやらゲームで武将名はお手の物らしく、わたしが伊達政宗や徳川家康と書くたびにうなづいて「はいはいはいはい」みたいな感じになり、台湾人がどれだけドラゴンボールやナルトやワンピースにどれだけ影響を受けているかはかりしれないと熱弁をふるう。

ウェイさんは漫才が好きらしい。お気に入りの漫才は流れ星。まさか台湾まで来てちゅうえいを見ることになるとは。でもテンポがあるし難しくない?と言うと「たしかにね、間がね」と、なんと言ったか忘れてしまったけどたしかに彼は漫才の「間」まで理解しているので驚いた。どなたかのいれた台湾語テロップはサクサクと表示されており、そのスキルにもまた驚いた。漫才の翻訳なんてそんなマニアックで高度なスキル、国連の同時通訳より難しくないか?

2杯目はジンを使ったドライで爽やかなものをお願いしますとオーダー。緑茶の香りをつけた自家製ジンに、ドライジンやカンパリなどをあわせて大きなグレープフルーツのピールをあしらったほどよい甘みのカクテルの出来上がり。世界的にミクソロジーブームではあるが台湾もその例に漏れず、この緑茶ジンはお茶を入れるようにして色を香りをジンにうつしたものらしい。ベーコンの香りを移したお酒も試飲した。なんと深くて大胆なミクソロジーとインフューズの世界よ。

「わたしはいいバーを外国で探すのが上手なんだよ」と言ったらサンキューと笑っていたウェイさん。「ありがとうございます」をわたしが言ったら日本人のお客さんに失礼ではないですか、と言葉のニュアンスまで気にするような誠実で勤勉なバーテンダーさんがいるバーは気持ちが良い。

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