包丁工房タダフサの「パン切り」
四条烏丸の中川政七商店で定期パトロールしていたところ、ふと目に入った「パン切りあります」のポップ。えっ、包丁工房タダフサのパン切りがある?かの燕三条界隈の中でもとりわけ有名なあの一品が?巷では2年待ちとか言われる人気商品じゃなかったっけ、またなんでこんなところに・・・。
「パン切りあります!」とな(よく見つけたなわたし)
聞くと、不定期で入荷されてたものの先日の『マツコの知らない世界』効果で余計品薄になり、最近になってようやく生産が落ち着いてきて今回の入荷になったとのこと。公式サイトでは引き続きSOLDOUTなのだけれど、中川政七商店サイトなどでは在庫アリの状態になっていました。ま、いくら個人購入が数年待ちでもオーダー掛けてたショップなんかには行くもんね。知ってる人にすぐに売れちゃうらしいので、これもご縁かしらと即決して買いました。お値段、9500円!高いか高くないかはパンへの思い入れ次第!(いや高い)
ほとんど刀、噂のタダフサのパン切り
しっかりしたボール箱に入った長い日本刀のようなパン切り包丁、これが切れ味バツグンと巷で話題のタダフサのパン切りでございます。ちなみにこの箱は研ぎやメンテナンスに出すときに必要らしく要保管。押し入れにポン。
うやうやしい箱、メンテ時用に要保管
パカッ
タダフサの持ち柄は栗材の抗菌炭化木。炭化寸前まで燻すことで木の質感を残しつつ衛生的で腐りにくいとのこと。こういう丸い感じの包丁持ってないけど、温かみがあってとっても軽いので女性の手には馴染みやすいかもしれない。なにげに一体型なのもいいな。
あと、刃は鋼をステンレスでサンドイッチのタイプ。最大の特長は先端だけ波刃であと真っ直ぐな刃、波刃で取っ掛かりをつくって、真っ直ぐのところで刺身みたいにスーッと引き切りするってことらしい。うーん、なんだか切れそう。”パンくずを出さず、柔らかいパンを潰さずに切る驚異の切れ味”と仰々しいこと言われてるけど、果たしてどうでしょう。
タダフサの丸いグリップ結構いい
美しきことは良きこと
バゲットと食パンで試してみました
京都に来なかったらパン切りなんてわりとどうでも良かったかもしれない。Amazonでレビューの高かった普通のギザギザ波刃のパン切り包丁使ってたし、そもそも包丁でちょいっと切る事の方が多かったし。(ちなみにAmazonでは上位を見ると95%ぐらいパン切りナイフって波刃です、フラットな刃のパン切りって珍しいんだね)
小麦粉王国京都では、ちょっと外出するたびに有名なパン屋さんを調べては立ち寄っているので、ホントにパンを食べるようになりましてね。いっつもパン持ってるおばさん、ちょうどこの日は荒神口の「ボン・ボランテ」さんでバゲットを買ったところ。
ガリッと取っ掛かってから切る
パン切り新旧。旧もAmazonでの評価は良かったので悪くはないと思うのだが
あれ、むずいな、パン粉もバリバリでるな(笑)公式サイトにもレクチャーが載ってましたが、どうやらハードパンに関してはちょっと慣れるまでコツがいるみたいです。上だけでなくて底も固いパンだし、今まで波刃で暴力的にガリガリやってたのとは勝手が違うようだ。慣れよう。
さて、食パンはどうだろう。こっちが大事よ。ちなみにこちらは京都BALのTODAY'S SPECIALで買った横須賀soilさんのミニ食パン。
波刃からのー
スパーーーーーーン
おおおお!切れ味が気持ちいい!そしてゆえにパン粉がほとんど出ない!この長さを活かしきってスーッと切ると、波刃でガリガリやったときの切り口ベコベコ感とか、ふわふわがちょっと潰れる感無く、美しく切れる。なるほど、これはハードより食パン一斤とかの方が向いてるパン切りと言えるかもしれない。
食パンラバーに好ましいパン切り
わたしがこのタダフサを「あ、やっぱ欲しいかも」と思ったのは数年前で、BRUTUSの表紙にもなったかの断面系厚切りサンドイッチ屋さん、代官山『キングジョージ』で使っていると知ったとき。お前もか!という感じでしたが、アレだけの厚切りサンドをスパーン!と紙ごと切るのって難しいよなと常々思ってたので、ひどく納得した覚えがあります。
厚切り食パンや具沢山サンドイッチはもちろん、一斤から薄く切り分けてサンドイッチにする、みたいな楽しいこともこのパン切りなら出来るな!生活においてパンの面積が大きい人、かつハードより食パンへの愛が深い人、なら奮発してみてもいいかもしれない、タダフサのパン切りでした。
ハーーー常温バターがはかどるわ〜