今日の旅メモ2017.1.14(ベンメリアとパブストリート)
8:00起床。昨晩部屋に戻ったらちょっと笑っちゃったくらいおそろしくエアコンが効いていて死にそうに寒いので夜中にちょくちょく起きた。下段のクラウディアも起きぬけで「超寒かった…見てリモコン27度にしてるのに壊れてるよね」とシャワーを浴びに行って、バスタオル巻いて戻ってきてあまりの室温差に「ひいいいい!」となっていた。
ホステルの朝ごはんが2ドル。オムレツやパンケーキやトーストなどセレクトして温かい紅茶も。クラウディアが年寄りのパッカーに話しかけられていたけど、この人昨晩もニューヨークガールと深夜1時すぎても話していたよ、どんだけしゃべるんだ。どうやらイスラエルから来たおじさんらしく、浅黒く日焼けしていてスキニーなおじいちゃんだった。この手の玄人みたいな人ってなんかいつもいるんだよなー。
9:00待ち合わせ、ロビーにはようやくサイモンがやってきたけど「ちょっと洗濯屋行ってくるわ、10分で
戻る」と言って消えてしまった。マーティンはいない。外のベンチでクラウディアと2人でメンズたちを待つ。来ない。
「おじさんと何話してたの?」
「なんて事はないたわいもないこと」
「ねえああいう人絶対ホステルにいない?年寄りでお話好きで」
「いる!!!!!」
「あと、本読んでる」
「世界中にいる!!!」
ユースあるあるで笑っていたらサイモンがドーナツ持って帰ってきた。正直クラウディアはボンクラの香りがするあいつを抜いて3人で行きたかったのだけど、マーティンは2度様子を見にいってもらったがあと少しあと少しで来ない。ようやく来たのは10時だった。「えーホントに10時なの?」と呑気にシャワー浴びたてのビショビショ髪で現れた。
通りを渡って近所の旅行代理店へ。交渉の上手なサイモンが一台38ドルで話をつけてくれる。宿のベンメリアツアーだとお1人様30ドルな上にどうやら吹きっさらしのトゥクトゥクなので、クーラーの効いたレクサス(じゃないレクサス)で1人9.5ドルになったのはなかなかのディール。車が来るまで昨晩も行ったカフェセントラルにお茶しに行くと、マーティンはもうすぐ車来るっつうのにいつの間にか朝食頼んでた。この人はラテン系か何かなのか?3人して呆れた。
トイレのポスターがつらい
さてレクサスじゃないレクサスが到着。「音楽なんかないの?」とサイモンが聞くと運転手がビヨンセ好きなんです、と大音響でかけだしたのでクラウディアがため息をついた。
近所の旅行代理店
片道1時間半、日本ではラピュタのモデルたらなんたら言われている遺跡ベンメリアに到着。さっそく入るとキーンにがっつり砂が入ってくる。「さあ日本人はなんかいいカメラ持って来たの?」とニコン一眼をぶら下げたサイモンに言われたので「iPhoneだけです」と言ったら「日本人じゃない!」と笑われた。鼻ピに坊主で大きな体で一生懸命写真を撮るサイモン素敵です。
しかしまあ盛大に崩れている。とにかく崩れ倒した遺跡に歴史と美を見るわけなのだが相変わらず全然勉強してこなかったので「なるほど・・・」という感じだった。クラウディアはここがトゥームレイダーの撮影地だと言っていたけれどそうなのかしら。ぽいけど。1時間半ほど遺跡を歩いた。森の中をお散歩するような感じでそこまで大きな遺跡ではないみたい。でも苔むしたお寺は風情があって、とはいえ写真を撮るとどうにも地味でそのワビサビみたいなものが撮りきれないので動画を撮ったりなどしていた。
戻って運転手と落ち合う。もう2時半、カラカラなのでおのおのコーラやスプライトを飲もうとしたらここでもサイモンが「1ドル」「で、2本買うといくらになるのかな?」と交渉して75セントに負けさせた。すげえなーこんなんだったら普通に1ドル払っちゃうよ、こういうとこでもすかさずっていう癖がスゴイしうまいわ。飲みきれない分はおばちゃんに渡した。
帰路もビヨンセを聴きながら爆睡しつつ帰る。バックシートの真ん中に座っていたので落ちると股が開いて両サイドのドイツ人に悪いなと思ってガクンガクンしながら足を支えつつ頑張った。無事到着してもう15時。飯行くだろ、と歩き始めた彼らにわたしは宿戻るわーといって部屋に。やっぱり始終一緒なのって疲れちゃうし自分の行きたいところでご飯食べたいのよね、わたし。ピザとか絶対嫌やもん。
さて、パブストリートのATMで80ドルを引き落として(手数料5ドル・・・)ホステル横にあった両替屋にある送金システム「WING」でクラタペッパーさんに頼んだ胡椒の代金を送金する。カンボジアではみんなクレジットカードを持っているとかいうわけでもないので、電話番号同士で送金できるこのシステムがポピュラーらしい。
実は胡椒買いたいなーと思って探していたらプノンペンにあるクラタペッパーさんに辿り着き、日本でも通販で買えるけど少しでも現地でお安く買えないかと事前に聞いておいたら次のホテルに送ってくれるとのことなのだった。無駄に歩き回って変なものを買うよりは手間も省けるのでお願いしておいたのだ。そのお金。
双方の携帯電話番号が必要なわけだけど、今回はわたしもSIM買って現地の番号を所持しておりますので書いて、お金を払って、先方に伝えるパスワードを貰って3分で終了。送金が電話番号ベースってとっても簡単。あとでSMS使ってパスワードをお伝えして、念のためお電話も差し上げてダン。楽しみだなあ。すごい金額を胡椒に費やしたけど・・・他に買いたいものもないしね。
さあ、わたしもさすがにお腹がすいてきたわ、ということで16時にパブストリートのKHMER KITCHEN RESTAURANTで郷土料理アモックとやらを白身魚(雷魚?)で食べる。なんというアッサリした味!完全に親子丼とココナツカレーの中間にいる!食べ口は親子丼、ココナツの風味はするけど強さも辛さもゼロ、だけどハーブの感じもするし、でも親子丼だし・・・と頭の中がグルグルする何とも想定外の味だった。
目の前にあるオールドマーケットにでも行ってみるか、と入って3秒で「ここで買うものはない、なんなら散策する必要もない」とあんまり探検しがいのない雰囲気とラインナップにスッとテンションダウン。ちょっと時間も時間だったので、台所用品とかはまた改めてこようかな。ローカルすぎるマーケットとハエの飛び交う干物専門店は見応えありました。でも確かにオールドなマーケットだった。周囲を囲む屋台とかは面白いかも。
ここから更にマーケットをはしご。橋の前で二つ繋げたバドミントンのシャトルを足で打ち合うという奇っ怪なスポーツが行われていたのだけど、その技巧が素晴らしいのでだいぶ長いこと見てた。ノールックで足の裏を返して背中あたりで蹴り上げたりするこちらは、調べたところベトナムの伝統的スポーツでダーカウというらしい。オリジナルすぎる。でも見てると超絶やりたくなる。
さて川を越えてアートマーケットへ。なんだこの閑散とした、というか平日の屋上遊園地のような雰囲気は。ガワが非常にキレイなだけに、人のいなさがひときわ切なくなる。呼び込みもそんなにないのでサーっと見て突き抜けた。裏側は小さいカフェ宿のローカル度の高いお店、だいぶマニアックな感じのホステルなどが多数あってなかなか面白そうだった。ランドリー屋さんやハードロックカフェアンコールもこの辺り。COSTAもあったなそういえば。なつい。
パブストリートに戻る。昨晩同様に同じような写真を撮ったり路地裏を散策したりして抜けたらちょうどもうひとつのアンコールナイトマーケットがあった。また!あんまりひといない!お店はいくつもあるのだけど、ピカピカするばかりでずーっと面白いものが売っている雰囲気がない。アラジンパンツも象の置物も刺繍小物もいらないよー。ここも掘り下げずにターン。マーケットよりパブストリート周りの方が面白そうだなあ。帰り際に見かけたアプサラホテルの建物が小洒落ていたのでこんどラウンジにでも行ってみようかな、思わず「すいませんここなんですか」って聞いちゃった。
近所のスーパーで中を物色していたらまたスコール。宿はすぐそこだけど帰るにはもったいないので、ちょっと目をつけていたアリーウェストという路地裏へ入り、ピカソバーへ。カウンターにお一人様も多くって、盛大なスコールの音を聴きながら冷えた白ワインとウォッカトニックを飲む。もうちょっとオトナなバーかと思っていたけど、そこツアリストシティ、そんなに洒落た感じではない。ながらもテンションの高いドイツ人店員がカウンターの中からお客みんなに話しかけて面白い場所であった。
帰りに焼き物屋さんを見たり、雑貨屋で「このカンボジアハンモックいくらですか」って聞いたり、リサイクル雑貨ショップを見たりして宿の横にあるマッサージ屋さんへ。ここはインテリアが多少シャレオツなので30分4ドルだったけど、通り過ぎてきたところには30分1ドルのところもあったな、あの独特のしょぼい雰囲気が問題なければそれでオッケイだしどこか入ってみようかしら。中はロシア人でいっぱいだったので、外のマッサージチェアで見世物になりながら足つぼやってもらった。
いてーいてーと施術されていたら、すぐそこのホステル入口にドイツ人御一行さま。他のドイツ人たちと連れ立ってディナーに行くらしい。もう食べたの?と聞かれたけど遠慮することにした。ドイツ語でおしゃべりよ。そこは。朝から晩まで一緒ってのもすごいなーと思うけど、わたしもまあ20代とかで日本人と沢山遭遇したらそんなことがあるかもしれないね。アイアムグロウンナップ。終わったらサクッと風呂に入った。詰まる前に、お湯が熱いうちに、とユースでは人より早めに入る癖がついている。
ラウンジでブログを書いていたら小上がりでみんなが英語のスクリプトを付けてホラー映画をみている。チラ見したらシンプルに呪いの吸血鬼ものだったので面白くなって目が離せなくなった。通りすがりのマーティンとサイモンに屋上に誘われてしばしおしゃべり。小型スピーカーを持ち込んでいたので音楽の話になって自分のiTunesを見せたりした。明日この2人はバイクでツーリングらしい。クラウディアは早朝のアンコールワットツアーの為にもう就寝している。かくなるわたしは、明日知らない人の結婚式を見に行くのだ。
そんな杉森さんがウォッカトニックをお代わりしながら見ているのは、おや?1月18日発売のお弁当エッセイ「東京弁当生活帖。」ではないですか。過去記事が抜粋されて書籍化している方も多いという噂ですが、違います。お弁当全部作りなおしてるしブログに出てきたことないものばっかりですからね。なお旅シリーズはランキング形式で未公開写真を交えてコラムになっているとのことですよ。あと発売まで3日です、どうぞ宜しくお願いします。
つづく。