柳宗理のミルクパンを修理に出した話
うちの台所用品の中で一番使用頻度が高い道具といっても過言ではないのが、柳宗理のミルクパン(つや消し)。いつ買ったか思い出せないし買い替えた記憶もないので(いや忘れてるだけで実は買い直してる説もあるが)少なくとも15年、下手すると18年ぐらい使っている可能性がある長老メンバー。
他の小鍋を使ったことがないので比べようもないのだけど、とりわけ一人住まいには重宝するサイズで、これで味噌汁を作り、お粥を炊き、うどんを茹で、蒸籠を乗せ、とありとあらゆる調理に長年使ってもはやこれ以外の小鍋を使う気には全くならないほど使い勝手が身体に染み込んでる。もちろん巨匠のデザインはシンプルで素敵だし、私好みのマットなステンレスなのも好き。
で、この相棒、今では子供のミルク用のお湯を沸かすという新たなミッションを得て引き続き毎日活躍していたのですがいよいよ本当にボロボロになってしまいました。取っ手が割れて欠け、そのせいで持ち手がグラついて危険なうえ、磨いても取り切れない焦げや汚れでもう真っ黒。新しく購入すると4000円強程度なので、まあ、と一瞬思ったのですが余りに長いこと使っていて捨てるのも忍びなく、調べてみると部品取り寄せや修理が出来るとのこと。
フチと底がだいぶアウト
いろいろ重症
柳宗理製品のサポートサイトによると「柳宗理商品取り扱い店舗」を窓口にして工場への依頼も出来るようなのですが、このご時世で京都でこれに該当する百貨店やハンズが軒並み閉店中のため、今回は日本洋食器株式会社さんの工場に直接お願いすることに。メールでお見積りをお願いしたらすぐにお返事いただけました。
このようにご親切にご案内いただいたのですが、今回はやむなく諸費は自腹で。急ぎで無かったらまず近くの取扱店に問い合わせてみるのがベストかと思います。(部品を取り寄せて自分で修理、っていうのも出来ます)わたしが今回かかった費用はこちら。
部品代 ¥650
消費税 (850+650=¥1500)の10%=¥150
送料 ヤマト宅急便で ¥1150
合計 ¥2800(振込料別途)
(手元に現品が届いてから返送まで実働で2~3日)
実際はこれに現品送付代金がかかりますので、直接工場でお願いすると結局新品買うのよりはちょい安いかな〜ぐらいのお値段に。しかし、愛用品を捨てずに済むし、あのお鍋捨てるなんともいえない罪悪感が無いのは良いことだ。新しい方がめちゃくちゃ頑丈で長持ちってわけでもないしね。
さて、そんなこんなでお願いして数日後。うちのミルクパンが帰ってきました。
おかえりなさい
開けてビックリ!ま、ま、ま、まばゆい・・・・!底にこびりついた五徳の跡も、フチや取っ手周りの焦げ付きも、一切の汚れが全部無くなって新品同様の輝きに。あなた、本当にうちにいたあなたなの?見違えて以前の面影が跡形もないけど本当に?あまりの変貌ぶりに「ふへへへ」と笑いが漏れる。
先日グローバルの包丁研ぎを工場でお願いしたときもその仕上がりと素早い対応に感激しましたが、今回も、なにしろこの出来上がりですから、結果的に『ああ、安易に買わずに修理に出して良かった・・・』と大変満足な結果となりました。
鍋ひとつピカピカになるだけでキッチンの表情がまあ違うこと。アガる。きたねえ鍋を惰性で使い続けるのって毎日小さなストレスを見ぬふりして過ごすことなのだと知るの巻。焼き付くようになったテフロン、先の焦げた菜箸、使いづらいけどもったいないから使ってるザル・・・いろいろ見てみぬふりしてるわね・・・。
俄然後ろのケトル(柳宗理)のくすみが気になる始末
長く使える物を修理して(いやその前にこまめな手入れをせねばなりませんが)使えるのはありがたいことだね。自前サプライズ感が面白かった、柳宗理製品の修理でした。