和栗専門「紗織(さおり)」の最高級モンブラン『紗(しゃ)』
コロナ禍で旅行者が消え、観光都市として壊滅的なダメージが進行中の京都でございます。そんな中「そういえばあの店どうなってんだろ」と前を通ったついでに覗いてみたら・・・やってる!しかも空いてる!こんなときですが、逆にこんなときじゃないと入れないレベルの行列店なので、サクッと立ち寄っていただいてきました。
木屋町高辻の川沿いに立つ町家が素敵な「和栗専門 紗織(さおり)」は、2019年10月に出来たときからずーーーーっと気になってたけどオープン当日から超大行列。たまにエゴサで行列の出来具合をウォッチしてきたんですけど、なんかもう朝7時半とかには人が並んでいる始末(オープン10時)だとか、朝整理券ゲットしても入れるのは夕方だとか、デズニーランドじゃないんだからっていうレベルの人気ぶりでとてもじゃないけど寄りつける店じゃなくって。ちなみにこのお店はこれまた人気のカレーうどん屋さん「くをん」の姉妹店。売れてる店って戦略とかブランディングが上手なのねえ。
まずは整理券をゲットすべし
待合室になっているエントランスホールでiPadの受付。整理券は9時から配布。「あと何組」が整理券のQRコードでわかるようになっているのでとても便利なシステム。いつもでしたら前述のように凄まじい早起きが必要なのですが、この日は9時半の時点でたったの12組、と信じがたいスローペースだったので、これは食べておこうと受付を済ませて時間つぶしをしてました。
入り口にはいろんな注意書きがあったよ。ボリュームあるからお腹をすかせてきてください、呼び出しから30分して来なかったら無効、名物の最高級モンブランは今年は丹波栗の不作により1日40皿限定です、など。そう、この限定モンブランを目当てに来るからとんでもなく早くこないといけないわけです。
素敵なインテリアと謎の機械
二階のテーブル席は閉鎖されていて、一階のカウンター席フロアだけの営業だったので回転が遅いかなと思いましたけど、いうてもデザートだし、お一人様も多いみたいで10時半頃には順番は回ってきました。中は鴨川の桜が見えるテーブル席がひとつと、カウンター。椅子や内装もシックで素敵ねー。
カウンターの上にはモンブランの栗絞り機が。このオリジナルの道具を使って栗ペーストをしゅわしゅわ〜っと振りかけるデモンストレーションがまたこの店の演出のひとつなわけです。ペアリングのドリンクもついてくるので、わたしは和紅茶にしましたけど、午前中から結構みんなオプション1000円ぐらい更に追加してワインやスパークリングや高いお茶を飲んでたよ、リッチー。
噂の超高級モンブラン「紗」
さて、おかげさまで限定数に間に合ったのでオーダーしたのは丹波くり最高級モンブラン「紗(しゃ)」2200円。他にもパフェとか栗もちなんて渋いメニューもあるけれどまずは名物を食しておきたい。お姉さんが目の前の栗絞り機にセットして『それでは』と軽く合図したらシャーーーーっとクリームが雨のように降り注ぎます。
このビジュアルがバエなのだ。0.1mmでしたっけ、細い細いペーストの糸がメレンゲ+マロンクリーム+生クリームの山に降り注いで見たことのないモンブランに。すごいねえ。中のメレンゲのサクサク感を楽しんでいただきたいのでお早めに、とのことでナイフを入れるとサクサクサクサク!っと美味しそうな音がするよ。この小さな演出感もにくい。
パクリ。おお、甘くない。甘くないぞ。一般的なモンブランのクリーミーな甘さがない、ほとんど栗そのものの甘みと香ばしさが生かされたクリームでありました。それなりのボリュームだけど、お口直しに提供された梅昆布茶をはさみながら、なんとか行けるサイズ。ああ、これだけ上品な甘さだったらまた来てもいいかもしれない・・・。
ひたすら黙々と味わって2200円のモンブランもあっという間。お茶付きでこれならお値段もまあ仕方ないかしら、とこういう話題店にしては珍しくそこそこ納得。ちなみにちょっと前からソフトクリームのテイクアウトも始まってるのでこれはこれで時間のないときなんかにはいいかもね。その頃にはまた大行列で食べられなくなっているかなあ。
いまの京都はこんなかんじ
京都も休業申請が始まることになったので、しばらくこのお店も閉めちゃうことになるのかもしれません。久しぶりに通ったら祇園も木屋町界隈もおそろしく人がいなくてすっかりゴーストタウン。八坂神社の前の商店街は8割方休業の貼り紙がしてありました。ジム友は密なるスポーツジムをやむなく退会して、最近は早朝に無人の清水寺や知恩院のジョギングにせいをだしているそうです。羨ましい。それでも鴨川では床の設営が始まっていて、これをきちんと今年は使えるのかしら・・・となんとも心配で気の毒な気持ちになりました。
ギリギリのタイミングだったけどたまたま食べられてよかった、こんなご時世下でいい気晴らしになる新鮮なモンブランでした。また落ち着いたころに是非マスク無しでお友達を連れて食べにいきたいな、ごちそうさま。
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