そうだ、カンボジア行こう

今日の旅メモ2017.1.18(アンコールワット&寺巡り)

いよいよ本の発売日、ということで昨晩はなんだかんだとやっていたら結局出発前に2時間ほどしか寝れなかった。身体バリバリで4時起床、頼んでおいた4時半送迎のトゥクトゥクはちゃんとやってきている。まだ外は真っ暗、同じくアンコールワットの朝焼けツアーに行くご夫婦がトゥクトゥクに乗り込んでいるところ。ホステルで見たアンコールワットを含む主な寺院へのスモールツアーはグループで6ドル(朝焼け込み)、個人でチャーターするプライベートツアーは15ドル(朝焼けはプラス3ドル)だった。受付で20ドルって言われたけど、まあいいやと昨晩のうちに頼んでおいた。その代わり、より遠くの寺院を回るグランドツアーに本来は含まれるタプローム寺院も入れてくれよってお願いしてある。問題は天気だけど晴れるかなあ。

わたしのプライベートドライバーは鼻毛が出てるけど男前のチャムナンさん。キレイな緑色のトゥクトゥクでよく目立つ。夜明け前の町を各ホテルから出発したトゥクトゥクが一斉にアンコールワットを目指して一本道を走っていき、さながらマリオカート。遅いとガンガン抜かれるし、遅いのは抜くし、たまにバナナも投げる。(投げません)

IMG_1904

チャリンコやバイクで向かう猛者もちょこちょこいる。とはいえ電動バイクでもないのにビーサンにママチャリで必死にこいでいる一団を見るとミスプランとしか思えない。ホステルのフリーレンタルとか借りて来たんだろうなあ。6キロぐらいあるのに。しかし寒い。うっかりいつもの調子でUNLEASHシャツのみで来てしまったら秋ぐらいの気温の中を猛烈に飛ばすので風がビュービュー吹いてとにかく寒い。林や水辺の近くを走るとさらにヒンヤリしてもっと寒い。腹掛けのリュックに隠れるようにして、まるで北海の干物のようだ・・・と思いながら吹きっさらされることしばし。チケット売り場についた。

5時、チケット売り場はオープンを待つ人がチケットの有効日数ごとに行列。思ったよりもスムーズで、わたしは一日券20ドルを渡してむくんだ寝起きの顔を写真にとられ、脇で待っていたら1分ほどでチケットが発行された。売店もあったけど朝食は抜くことにした。外に出てニコニコと手を振るチャムナンさんを見つけ、また北上、チケット確認(乗車したまま)のあとに大きな広場へ。朝食の屋台やコーヒーショップが呼び込みをしている。ここで待っているからね、とチャムナンさん。

全く灯りのない道をあちらこちらからワラワラと現れた観光者がアンコールワットへと向かう様子はまるでウォーキング・デッドのようだ。月が真上でとっても明るかった。お星さまが沢山見えて久しぶりに柄杓形などを目で追えるほど全方位的に星が見えた。暗いものなあ。ヨルダンでペトラのナイトショーを見るために谷をひたすら歩いたのを思い出す。早歩きで薄っすらと見えるアンコールワットへ向かって歩くと10分ほどで池に着いた。向かって左側の池にどっさりと人が陣取っていて、なんとかいいポジションを取ろうと若干の殺気。わたしは4列目ぐらいだったけど結果的に前三列の人達は自然に座ったままの雰囲気だったので立っていた写真は比較的とりやすかった。

日の出まで1時間あるのか・・・急に腹が減ってきたところで非常食のチーザを思い出したけどリュックを漁ったら持ってきてなかった。俺のばかばかばか!代わりにポケットに入っていたおしゃぶり昆布梅を噛みながらひたすら夜明けを待つ。願わくば誰もいないところで見たい、と思うほど月明かりと星とシルエットがキレイだったのだけど、こんだけ沢山の人達がいたらそんな静けさは求められるはずもなく、「人様にご迷惑をかける」という概念の無い方のチャイニーズやコリアンが携帯のライトをピカピカとさせていたり、ガンガン腕を伸ばして写真を撮ろうとしてきたりして、わたしも随分殺気立った。ああ・・・この感じはスタンディングライブの開演前と全く同じだな・・・早く開演して・・・。

IMG_1905

6時近くなると段々と空も白んできて、6時過ぎにはいい感じで筋雲の残った空が明るくなってきた。ふぁーきれいー。明るくなればなるほど周りのシャッターも凄まじく、自撮り棒もにょきにょきと伸び、前の人達がどんなアングルで撮っているのかが一目瞭然である。パノラマ、動画、モノクロ、自撮りなどなどなど。アンコールワットもキレイだったのだけどむしろこの状況が「すげえな」という感じで、見渡すと池の周りにはびっしり人がいるのが初めてわかる。世界遺産ってのも大変だなあ。風もなく池も水面も比較的静かでミラーとなっていて、撮った写真もとてもキレイだった。写真ばっかり撮っていてアンコールワットの後ろの空がどんどん明けていくのがすっかりおろそかになるけれど、この状況もぜんぶ含めてアンコールワットの朝焼けコースという感じだね。

IMG_1906

明け切ると人がどんどんいなくなる。他の場所で写真を撮ったりしていたら歓声が上がったので振り返ると、わたしの前にいた白人カップルがさっきの池のほとりでプロポーズしていた。イエス、で抱き合ったりして沢山の拍手を浴びていてハッピーな雰囲気に。はるばるやってきたアジアの名所でプロポーズってのはさぞかしロマンティックなのだろうなと思うけど、ちょっとあんな山のような知らない中国人に囲まれて写真撮られるのはいやだ!と心底思った。

IMG_1907

中をしばし観光、朝は気持ちが良い。素敵な遺跡の中でポージングをしてドラマティックな写真を思い出に収めるのはアジア人だけではないらしい。そっちを見ている方が面白かった。アンコールワットのあの海老芋みたいな3つの塔(パガン)には登れるらしく、物凄い行列が出来ていたけどやめといた。暑くなってきたので撤退してチャムナンと合流。

IMG_1908

IMG_1909

IMG_1910

次にバイヨンへ。顔がいっぱい付いていてわかりやすくカッコいいのでここが一番好きだった。チケット拝見係に写真を撮ってもらったら「1ドルです・・・うっそー」と笑えないジョークをかまされた。そういうのやめて。撮ってくれた写真はパノラマを短く撮って背景をふんだんに入れたもので、そのこなれぶりに感心。よく人に写真を頼むと普通にわたしだけ撮られて「そういうことじゃねえよ!」と思うので、全くよくわかってくれていてありがたい。

IMG_1912

ここからさらに歩いてバプーオン→象のテラス、プラカーン、タケウ(外からのみ)、タプローム、バンテアイ・クデイと行ったような気がするけどちょっと忘れた。だいたい崩れた古い廃墟なのでなんかよくわからなくなってくるのよね。歴史と宗教または美術の知識に長けていないと今ひとつ心から入り込めないのは世界中どこに行っても一緒であって、わたしなどはせっかく図書館の方を一冊持ってきたのに想定内ではあったけれど結局ページを開くこともなく帰ろうとしておる。どの遺跡も積み上げられたあのパガンとかいう海老芋や石に彫られたレリーフ、またはその廃墟からすごい勢いでニョキニョキ生えている巨大な樹木が見どころで、暑いのに帽子もタオルも持参しなかったのでしんどかったけど、カンボジアの遺跡の傾向みたいなのはよくわかりました。うん。

IMG_1913

IMG_1916

IMG_1917

IMG_1919

帰りはパブストリートで降ろしてもらった。もう昼過ぎてるのにランチも食べていなかったのでSoupDragonでチュナンダイとかいう鍋でも食べようかと思ったらお二人様から。ぺっ。腹が減っていたのでしょうがないからエビの春巻きとクイテウという朝食用のあっさりしたヌードルを食べた。ヌードルにはタイバジルやのこぎりバジルが沢山付いてきてベトナムに行った時のことをおもいだす。ちぎって沢山出汁に沈める。結構な量があるようにみえたけど二皿とビールを完食。ところでフレッシュスプリングロールとライススプリングロールの差ってなに??日本ぽいやつと、ペトペトした方のやつ。

IMG_1921

さて、お金を払おうとしたらなけなしの20ドルのみ。なんとかこれで明日までやり切れるかなあ、夜ごはんをクレジットで払ったらいけそうだな。と思って20ドル札を出したら返ってきた。「破れているから使えません」・・・しまった。これは多分料理教室でここぞとばかりに100ドルを出したら返ってきたお釣りのやつだ。カンボジアでは切れたりちぎれたりしている米ドルは使えない。と言っても折り目の上下がほんの5ミリほど切れているだけだったのだけど、それでもダメだった。お釣りなどでドルを受け取る時には十分に注意して、発見したら即座にオイオイと交換してもらうのがセオリーなのだけど、このリアルババ抜きに参加するのが久しぶりすぎてすっかり忘れてた。いつの間にかジョーカーを引かされてた。

とはいえすんなりとは引き下がらず、他にキャッシュないから無理だとゴネたらキレイなシャツを着たマネジャーらしきひとがやってきて懇切丁寧に同じ事を説明し始めた。じゃあどうすればいいの、これは両替商か銀行に行って替えてもらってくださいという。それ幾らになるの、2ドルほど取られると思います。「はあ?」そもそもカンボジアで釣りに貰ったのに何で使えないんだよ、これは切れているのでカンボジアでは18ドルの価値しかないです、とちょっとクスリと笑ったりするもんだから「ねえそこで笑うべきじゃないよね」と、何とも拙くてどうしようもない英語と、いかにも当然でお札を受け取らない態度と、そんな事がまかりとおっているカンボジアと、何よりも確認を怠ってジョーカーを引いてしまった自分のミス自体に腹が立ち、最終的に渋々とクレジットで代金を払って外へ出た。サングラスをして殺し屋のようなオーラを放ちながら無言で去った。

バキバキの身体と心をほぐすべくまたも安い方のテンプルマッサージへ。本当にひどいコリ具合だったので首肩頭1時間6ドル。くだんの20ドルを再チャレンジして撃沈、しかもキャッシュオンリーだったのだけどギリギリ残りがあった。足ツボとは別の部屋に通されたのだけど暑いしダラダラしてる店員が転がってたので表の部屋でやってもらった。殺し屋なのでいつもより厳しい。入ってきた瞬間にちょっと店員がひるんだのがわかったほどの負の空気ををまとっていたのだった。

マッサージは相変わらずまあまあ。アヌーが言ってたけどセオリーが全然ない。腰を揉んでいたのにいきなり肩甲骨に飛んだり戻ったりを喋りながらやるので落ち着かない。けど真底凝っていたのであっという間の1時間。気持ちも軽くなって帰りに両替商へ寄ったらドル札は受け取ってもらえず銀行へ行けという。遠い。今日空いてるの、空いてるよとニヤニヤしながら少女がいうのでイラッとする。他の人は今日はもう閉まってるよという。でしょうね。無言でまた殺し屋は外に出た。なんだよあの態度、全員目にライムの汁入って悶絶しろー!

ホテル帰還。また相撲中継なのでチャンネルを変えてカートゥーンネットワークを見ていたらサイモンから連絡。今晩行くって言ってたレディボーイのショーがあるバーに一緒に行きたいんだけど、という。残念ながら閉まってたんだよ、しかも20ドルのこれこれこういう件があってさあ、ありえないけど夜試して見たら?ダメなら奢るし夜メシ行こう。そこから死んだように3時間睡眠。

19時、ドアがコンコン言ってる?ムニャムニャして開けると受付の3人が並んでローソクのついたケーキを持って並んでいる。「ハッピーバースデートゥーユー」と歌ってくれてパチパチおめでとう、みるとわたしの誕生日と名前とお祝いの文字。ホテルチェンジでやりとりしたときにBirthday tripなんだけどな、と今回は全くそんなつもりではなかったけど一応書いて強調しておいたら「それは知れてよかった何かお祝いを」「いやいやそんなたいそうな」という流れがあったので多少は期待していた訳なのだがまさかこう来るとは。ホーチミンときみたいに返ってきたら部屋に置いてあるサンタクロース方式かと思ってたよ。

IMG_1922

いそいでスマホを取り出すと動画を取ってくれて「お願いごとを」と言うのでウーンと考えてロウソクを吹き消した。わーありがとう。写真はものすごい寝起きで2度と見たくないほどむくんでるけど嬉しかった。健康とご多幸をお祈りします、というメッセージをプリントした紙が入っていて、スプーンと紙皿とプラスチックのサーバーナイフも。切ってみたら中は
三段のカラフルなスポンジだった。意外と普通に美味しかった!殺し屋はすっかり心が洗われて、ああいいよいいよあとでATMに行きましょうね手数料高いけどしょうがないわね、とピースフルに外に出た。

IMG_1923

前宿までサイモンと待ち合わせ、明日タイのバタンバンに経つという。お金を下ろして行ったことのない方面にと川沿いを進むと一件のバイク修理屋の前で大量の空き缶を前に道端で宴会が行われており引き止められた。「おい仲間よ一杯飲んでいけよ!」通りすがりに声をかけられてサイモンがとっ捕まってクーラーボックスからアンコールビールをひと缶づつもらった。どうしようもなく泥酔したジジイとそれなりに泥酔したおっさんたちと、雇われているらしいカンボジア人コーディネーターと若い女の子。オーストラリア人の訛りのひどい御一行はバイクやら車やら女の子やらをアレンジしてもらって今月頭から1ヶ月ほどロードトリップしているらしい。

IMG_1924

完全にこういう人いるよね日本でも、というぐらいわかりやすく泥酔したオージーのジジイは呂律の回らない口調で私たちのことを軽く聞いたり、あいつらはマジでファックだとか、あそこの町がいいとかアジアの女の子はいいとか日本は高いとか話倒し、その他の皆さんは幾分かマシだったのでそのままトラックに乗ってご飯に出かけて行ったけど、その後もジジイ2人は残って下世話なトークやどうしようもない悪口などを喋りつづけたり、パンクしたタイヤの人がやってきたら何とか直そうと試みたけどダメだったり、典型的なジジイではあるけどバカバカしすぎてツボに入るほどのお達者JACKASSぶり。しばらくして一緒に飯くるう?とベロベロで誘われたけど当然我々はお断りしてビールのお礼を言い、元の道を戻ってローカルの店に入った。

何でも2ドルのその店は写真が逆さまで伸びているメニューに何でも載っていた。わたしはクメールチャーハンとビール。サイモンは豚炒めとごはん。お店の小さな娘たちがお手伝いしていて、体にしょったボディバッグにはお金が入っているらしい。オーダーを聞いて、グラス持ってきて、ビール持ってきて、と可愛らしい。味はそこそこ。

IMG_1925

最後の夜に乾杯して、今日は緩めに、例えば帰ったら何が食べたいかとか、名前の由来は何だとか、カウチサーフィンや民泊の話とか、わたしのわかる話題を中心にしてたので楽しかった。前宿まできたらあの美味しい麺を教えてくれたトゥクトゥクドライバーがいておおおお!となり、俺たち明日2人とも経つんだよと握手した。またね、一番最後に2人ともまた会えてよかったわい。

帰宅してざっとパッキング。旅メモも書かずに風呂も入らずにうつらうつらとしては起きての短い睡眠を繰り返して終了。はー疲れてる。

にほんブログ村 料理ブログ お弁当へ

-そうだ、カンボジア行こう

この記事をシェアする!