京都生活

祇園祭(後祭)山鉾巡行見物日記と、映画「祇園祭」

7月24日は後祭の山鉾巡行。三連休とも重なった前祭と違って人も少ないので開始時間にサササッと見に行ってきました。本来の形通り、前祭と後祭に再び分け始めたのは2014年らしいですが、いやー分けたほうがいいですよね。主にこちらの体力的に。今回も曇りでベストのお天気でした。

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 icon-camera 有料席の人は立たなくて良い

後祭の山鉾は10基

前祭に比べてより鮮やかでドラマティックな(当社調べ)後祭の山鉾は全部で10基。今度は逆周りで烏丸御池から四条の方に行くルートに変更になります。今回はより大きな御池通りの市役所前スタート地点で見てきました。くじ改め(順番確認の儀式)もここなら見られます。

橋弁慶山(はしべんけいやま)

一番最後に立ち寄った山、ここはくじ取らずで一番最初。テレビでこの牛若丸がパーツばらっばらになってるのを見て結構衝撃受けた。人形として保存するのは難しいもんなあ。

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 icon-camera 弁慶と牛若丸キター

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 icon-camera これが噂の一本足

北観音山(きたかんのんやま)

ぴっかぴかの刺繍がかっこよかったところ。後祭の山は厄除けの柳が後ろにわさーっとついていてかっこいいんだ。でもちょっと昔流行ったファーしっぽのアクセサリー思い出したわ。ギャルのつけてたやつ。

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 icon-camera 山でも背が高くてかっこいいんだー

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 icon-camera これが厄除けの柳

鯉山(こいやま)

麻糸の滝を登って龍になるカープの山!宵山で見た鯉、リアルで古さが味になっててすごかった。

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 icon-camera 鯉のリアリティ

役行者山(えんのぎょうじゃやま)

来年にはもうきっと読めないエンノギョウジャー!修験道が主題なので先導した山伏が法螺貝をブオーっと吹きながらやってくるのがアメージングジャパン。来年は宵山にやってる修験者の護摩炊き行きたいなー。

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 icon-camera 舁き手のしましまが良い

そしてこの行列に顔をデカデカとシャッターに書いているあの手ぬぐい店永楽屋の細辻伊兵衛社長を発見。さすがビジュアル系社長、前髪を直し直しの「どうも、俺です」感がすごかった!ブレない!前見て歩いてちょうだい!

八幡山(はちまんやま)

鳩いっぱいの八幡さん、鳥居の上にちゃんと新調したあの鳩が2羽。故事や神事に絡む動物に弱いタイプ。

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 icon-camera 鳩はどこだどこだ

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 icon-camera いた!

南観音山(みなみかんのんやま)

美麗豪華な朱色の水引が素敵だった山。曇天にも映える。見送りの「海を見渡す龍」がまた朱色とマッチングしてすごいカッコイイねー。

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 icon-camera 目は人口ルビーですって

鈴鹿山(すずかやま)

ちんまりと可愛い女の子がたくさん会所にいた鈴鹿山。真松には絵馬がいっぱいぶら下がってる。

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 icon-camera あとラクダが良い

浄妙山(じょうみょうやま)

牛若丸に続くアクロバティック山!いやーあんだけガクンガクン揺れても大丈夫なようによく作ってあるものですわ。

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 icon-camera こんな越え方されたらマジ切れるわ

黒主山(くろぬしやま)

黒とピンクのやんちゃカラーな山!バンドグッズ売り場(違う)!しかし会所で見た鮮やかな見送りの刺繍よりも、やっぱり「黒」の字がタイムボカンシリーズに見えてしまうことに気が取られる。

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 icon-camera 桜の量がすごい

大船鉾(おおふねほこ)

150年ぶりに復興したばかりのお船型。遠くから長い旗を風になびかせて来る感じが、前祭の船鉾よりもなんかアドベンチャー感高くてカッコイイ。どうしてもワンピースを思い出してしまいます。海賊じゃないよ!

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 icon-camera 最後が船ってやっぱいい

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 icon-camera 会所で見た龍頭は今年は舳先に乗ってなかった。金幣と交互なんだって。

そして花傘巡行が続く

そしてこの後に別ルートで練り歩いていた花傘巡行が続きます。これは前祭と後祭がガッチャンコして一緒くたに行われていた長い間、後祭の行事が喪失したために興されたのがはじまりだそう。綾傘鉾みたいな仰々しいのが来るのかと勝手に思ってたら、子供みこしとかミスきものとかいっぱい来てちょっと拍子抜けした(笑)

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 icon-camera よくもまあこんな狭い寺町商店街を来ますね

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 icon-camera 舞妓はんたくさんきはったーきれーい

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 icon-camera またサギさんたちにも遭遇

KBS京都の中継、面白いな

帰ってからまた録画した生中継を見て復習。随分スタートが遅かったので勝手に尺に入り切らないのではと心配していたのですが、やっぱり最後の大船鉾直前で中継が終わるという切ない事態になっていました。ああ。

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でもやっぱりテレビ番組は「ここが見どころ」とか組み立ての事前収録とか先生の解説とか、情報が詰まってて面白い。牛若丸や弁慶があんな棒から出来ているなんて!あんなところにも鳩がいたなんて!とても勉強になりました。フル中継するっていうのがそもそもスゴイわ。あと今回も周囲のおじいちゃんおばあちゃんと打ち解けるよいツールになりました。パケ代!

 icon-arrow-circle-right YouTube KBS京都チャンネル

山鉾が町に帰ってくる

わたしがパン屋に寄っているあいだに、次々に巡行を終えた山鉾が町に帰ってきてパパーっとばらされていました。帰ってくると「おかえりー!」と近所総出で拍手がおこって和みますな。逆にこの時の方がより近くで山鉾の完成形を拝めるし、電線と戦う大変な作業が見られます。

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 icon-camera そりゃ引っかかるよな

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 icon-camera 専用の棒で電線を持ち上げるのだ

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 icon-camera おつかれー!と一斉に給水所へ

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 icon-camera 一番の橋弁慶山はもう跡形もなかった

極めてレア!映画「祇園祭」

そしてわたしはこの日の夕方、京都文化博物館に映画「祇園祭」を見に行ってきました。詳しい情報はウィキっていただくとして、ざっくりご紹介すると1968年のカラーフィルム映画で、主演が中村錦之助と岩下志麻で、応仁の乱後に京町衆たちの自治体制がつくられ祇園祭が復興された史実を脚色化したものです。

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 icon-camera タイトルとビジュアルのミスマッチ感

京都府が著作権を持っているので、よくある権利関係のごちゃごちゃで結局ソフト化もされておらず、祇園祭の時期に京都で上映されるのしか今のところ一般的には見るすべがない、というややこしい物件です。なんて京都っぽい!いい!

そんな魅力的なややこしさはさておいても、出演が高倉健、渥美清、北大路欣也、美空ひばりなどいずれも端役扱いな豪華俳優陣。あと、とにかく三船敏郎がかっこよすぎます。昭和映画っぽい意味のわからない劇的進行や演出なども含めて見るべき価値アリの映画でした。

あと、これまで日本史の教科書では全く頭に入ったこなかった「土一揆」「念仏踊り」「町衆」「山科討ち」などに急に詳しくなる、というレキシ的効果があります(笑)いやー祭りを復興するって大変なことよね。しかも応仁の乱以後50年は京都は戦禍の渦に巻き込まれているわけなので、劇中に若者の台詞で『見たことも聞いたこともねえ祭りなんかに〜』というのがあって、文献や録音も無い時代に戦争となると見聞きで伝えることも出来ず、続いているといっても事実上は何度も新しく組み立ててやってきたんだろうなあと思いました。ああ、またひとつ賢くなった。きっと来年には全部忘れちゃうと思うけど(老化)。

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 icon-camera ちゃんとシアター!

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 icon-camera またちゃんと行きたいです

文化博物館にはちょうど山鉾に関する展示や、ふるーい京都の写真の展示もやっていて、相当面白かったです。500円で映画も見れて展示も見れちゃう。文化施設万歳!

お神輿に遭遇する夜

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 icon-camera 普段はここお土産屋さん

前祭の山鉾巡行直後の「神幸祭」で八坂神社からやってきたお神輿は3つともは四条通の「御旅所」というところでしばらく奉安されてまして、この後祭の「還幸祭」で八坂神社に帰るのです。前後ともこの移動する都度都度でお神輿わっしょいが行われるわけでして、ちょうど映画終わりに遭遇しました。そして全然進めませんでした。

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 icon-camera あっ、西御座さん

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 icon-camera 違う道ではお稚児さん

神輿渡御の行列は太鼓やら白馬に乗ったお稚児さんやら、この装束の方々が200人ぐらいいて、静々とながーい大行列が歩いて行くのです。黒澤明やジブリの世界のようです。こんなの毎年毎年普通にやっているんですね、京都って。ハー。

ご清聴ありがとうございました

ということで、せっかく初年度なので暑い中できるとこだけ追いかけた今年の祇園祭でした。「こんなにつぶさに書いてるブログないよ」と言われましたが、まあ基本精神は備忘録なのでその辺はご容赦ください。読んでいる方もそうだと思いますが、書いている方も相当祇園祭でお腹いっぱいです。お腹押したら鼻からちまき出そう。

ちなみに月刊京都の本はとてもわかりやすくて面白かったです。特に「今日なにやってる」というのがすぐわかるのが神事の多い祇園祭には重宝しました。

来年は追うのか追わないのかわかりませんが、とにかく長くて神事が多くてややこしくも、古くて美しいお祭りでございました。

おわり。

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