備えよ常に
コメントをくださった方、ありがとうございます。
東北の惨状に比べたら東京の混乱などおならみたいなもんです。
それでも、いやー、必要以上に揺れる免震高層ビルの中での震度5強は「ああ噂のヤツがついに来たか、このまま死ぬかこれはー」と思うくらいでした。女子たちは机の下にもぐり、モニターがバターンと倒れ、最初笑ってた顔が徐々に凍りました。皆で動揺したまま階下を見下ろすと、外に出た無数の近隣会社員に見上げられており、ふと「911の時ってこういう視点だったわけか」と思ったりしました。(しかし彼らが見上げていたのは、揺れる窓拭きのゴンドラだった)そのままビル全員が避難→戻って点呼→解散となりました。
首都圏の主な鉄道が全面ストップしたので大多数が徒歩帰宅となりました。タクシーやバスは捕まらず、首都高閉鎖で裏道抜け道もすべて大渋滞。私などは通勤30分程度の都心住まいなので大したことはありませんが、遠く練馬や更に遠方まで5時間とかかけて歩いて帰る人もいました。
実家を始め、他県やフランスのお友達からもメールがバリバリ来ました。お母さんは「一瞬めまいかと思った」と言い、妹は「昨日の夜にパズ君(うちの犬)が常軌を逸した行動をしてたから予知していたに違いない」と盛り上がっていました。平和です。とにかくツイッターだけは問題なく繋がり、リアルタイムで状況がわかりました。ツイッターのサーバー、さすがラピュタのバルスで落ちなかっただけある。阪神淡路のときと圧倒的に違うのはこの辺のインフラと情報の広がりのスピード。
ツイッターを見ていると外国人が驚いているとかなんとか。日本人がこの大災害の時にも至って冷静で(慣れもありますが)、暴動も略奪も起きず、むしろコンビニは店を閉めることなく支援ステーションとなり、皆粛々と夜道を徒歩で帰宅し、スーパーでは落ちた品物を拾いきちんと並んでお会計する、と。誉められているようです。どんだけ外国マッドシティやねんと思いますが、まあ確かに。横並びの規律順守も、災害時には高潔な国民性となって現れるのですね。
私は風邪でゲホゲホ言いながらも途中でたい焼きを買い食いしたり、インド人カレー屋で弁当を待つ間、店主とカタコトのねぎらいを交わしつつ2時間弱で帰宅しました。歩道は人で溢れ、全都民ウォークラリーさながらの状況になっていました。「ここどこ!」と叫びながら笑ってもうてるOL、途方に暮れる外国人観光者、とりあえずらーめん屋に並んじゃってる人、とりあえずビストロで飲んじゃってる人、思い切って自転車買っちゃってる人、会社支給らしいヘルメットをかぶって歩く人、マンション前に「トイレ貸します」の手書き看板を出す人・・・いろいろな人を見ました。
帰ったら単身者の軽い冷蔵庫は2、3歩ほど歩いていました。上のレンジが落ちかけていました。奥に置いといたワインボトルが流し台から落ちるギリギリまで前に進んできていました。姿見が倒れてふすまが破損していました。昨日まで無かった亀裂がボロ部屋の外に入っていました。洗濯用粉洗剤が箱ごと落ちたのに美しく着地してくれていたのだけは幸いでした。
ナイトウォークを経て風邪が悪化した私は、薬飲んで家でチンとして省電力にわずかながら貢献しつつ、意図的停電を想定してレンジを使わないご飯を作ります。もうニュースにもでないけど、まだ30分置きぐらいでちょいちょい揺れています。落ち着いたら、ちゃんと募金をしなくては。