青山有紀さんのお弁当料理教室
はじめてお弁当料理教室に行ってきました。
先生は青山有紀さん。料理好きクラスタの皆さんはご存知かと思いますが、そうでない人には『お願い!ランキング』に出演されていたときの辛口コメントの印象の方が強いかもしれない。2018年に中目黒のお店を閉めて故郷の京都にお戻りになられまして、インスタを拝見する限りでは現在大原に山のアトリエを作られている傍ら、4月からは堀川丸太町にもアトリエをオープンされるそうで変わらずのご活躍です。
わたしが2017年に京都に引っ越してから、興味のあるワークショップやライブなどの催し物がちょいちょい東京オンリーでクーッ!となるのだけど、たまには京都にいて恩恵を受けることもあるものです。このお料理教室シリーズはなかなかの激戦らしいのですが、追加日にありがたく当選。ちなみになんと、い、いちまんはっせんえん!の高級ワークショップでありまして、なにがどうなって!?という好奇心も込めてめちゃくちゃ奮発しました。
会場は左京区系京都カルチャースポット「恵文社 一乗寺店」の奥にあるイベントスペース「cottage」。前にライブで来たことあるけどお料理教室まで出来るんだな〜へえ〜。この日は9名ほどの生徒さんで、ざっと自己紹介したあとに概要をご説明いただいて、その後は先生のデモンストレーションを見ながら(一部作業は生徒で分担)13品ほどを2時間ぐらいかけて作ります。
ザッツ京都カルチャーの巣窟(言い方)
アシスタントさんにぬかりなく用意されたステージ
場所も場所だし、てっきりこういうお料理教室にいらっしゃるのって暮らし系おしゃれお姉さんたちがリネンのワンピースでやってくるものだろうなと勝手に想像していたのだけど、実際は小さいお子様のいるお弁当ロードを走り始めたばかりのお母さんとか、好奇心豊かとお見受けするおばさまとか、わりとビギナーっぽい方々がこの日は多かったのがちょっと意外でした。
先生は次々にスパスパと並行作業でレシピをこなしていきます。土鍋ごはんやおかず、ちょっとした浅漬や和え物などなど。思っていたよりずっとレシピはシンプル!ややこしい調味料も難しい手順も特に無くってこれまたちょっと意外。ただし、食材は採れたて、無農薬、無添加などのこだわった物ばかりだし、調味料も同様にあんまり私は普段手が出ないような正しい物ばかりでした。なるほどなあ。
豆は一緒に炊くタイプなんだな
とにかく火通しには蒸し推奨
いい仕上がりになるんだよなあ、そうだったよなあ
ずーっと照宝のセイロが湯気を上げていました。ポテサラのじゃがいも、菜ばな、ブロッコリーなど野菜は茹でずに蒸し。とにかく蒸し。水が出ないんだそうです。そうか・・・わたしは水っぽさってそこまで気にしないズボラ弁当だけど、汁気排除を徹底するとこういうポイントが大事なんだ。セイロって結構構えて使ってるとこあったかもしれない、もっと普通に使おう。余った野菜の欠片や、つい芽が生えちゃう芋類なんかも蒸しとけば応用もしやすいし、弁当おかずのバリエーションも増えていいことづくし。地味だけどこのポイントはすごく学びだったなあ。
びっちり詰めました福袋
なにげに作ったことなかった人参たらこ炒め
油の温度気にしなくても美味しいんだな・・・!
ある程度お弁当作りなれてるから、この日習ったレシピ自体は物凄く斬新なわけじゃない。むしろ調味が少なくてビックリぐらい。でも調理の隙間のコツにたくさん勉強になることがあったよ。セイロ使いもそうだし、汁を煮切ったり素材を選ぶことで水分を出さないコツ、あとはとにかくこだわった調味料でシンプルに調理することで十分美味しいってこと。
手間を省いているようで実は余計な味付けしてたり、食材を無駄にしてたり、応用しづらくしてたり、っていう自分の手慣れたがゆえの下手さ、をめちゃくちゃ実感。いらんことたくさんしてたな・・・旬の食材ってそれだけで安価で栄養価もあって塩だけで十分美味かったりするのにバカバカバカ
ごはんはおにぎりに
おかずはひとまずお皿に盛って詰め作業に備えます
今日できたおかずいろいろ
そんな地味〜な学びが心に染みたところでお弁当料理教室のハイライト、詰め方レクチャー。弁当箱は持参したいつもの大館工芸社の小判型。ごはんはおにぎりにしてポン、そのあと大物おかずを配置して、隣り合う色がかぶらないようにサブおかずを詰めていきます。ごはんの形状がいつも違うだけで!もう全然勝手が違う!最適解が全くわからん!
おのおの苦戦の様子
どうにかこの多種おかずを収納・・・ゼエゼエ(これがBEFORE)
普段どんだけ張り切ったって5種類ぐらいのおかずですから、この日できた13種類をバランス良く詰めるのって超難題。どれかをちょっとでも欲張って入れたらもう他が入らない。隣の方と苦笑しながらとにかく詰めたあとはビーツやラディッシュ、そら豆やお花で装飾作業。そう、これですよ、わたしの弁当に欠けている決定的な違いは・・・。
こういう装飾小物を準備するマインドがあるかどうかなんだよな
先生に手直ししてもらったところ
見よ!この少しの装飾で格段に美しくなる弁当の表情の違いを・・・!(AFTER)
ずらしたラディッシュのスライス、レモン、木の芽、蒸したそら豆や開いたスナップえんどう、そしてお花。これをうまく散らしたら途端に吹き寄せみたいな彩り豊かでロマンティックな表情に早変わり。人によってお弁当の世界観って違うと思いますが、この基本レイアウトが青山有紀さんのお弁当のカラーなんだなってよくわかります。うーん、プロのバエ方はやっぱり違う。宝箱みたいなお弁当ができました。
お弁当は持ち帰って夜に自宅で食べ比べるため、残ったおかずをみんなで試食しながらいただきます。しみじみ、美味しい。とっぴな味付けではなく『普通においしい』っていうのが大事なのよねー弁当はねー。ついとっぴなことしたくなっちゃうんだけどさー。
いつもの角度だとこう
全部じんわりうまかった!
青家の辛味噌とコチュジャンもばっちり買ってきちゃった
ということで、3時間強に渡ってお勉強した料理家さんのお弁当教室。おかずレシピそのもののもちろんだけど、調理のシンプルさ、工程の効率とクオリティ、汎用性、総じて何をどう選択するか、みたいな攻略ポイントがとても良い学びになりました。わたしは薬膳料理とか東洋医学の考え方って全然知識はないんだけど、根っこの考え方を教えてもらった気がする。あと、逆に意外と自分の中でも弁当ノウハウあるんだな(まあそりゃそうだ)という気づきにもなりましたね。
早速セイロを引っ張り出してきたし、今後はちょっと調味料の質にも気を配ってみようかなあ。慣れていることは悪いことではないけれど、慣れちゃったからこそ人様のやり方を勉強して自分の型やクセを改めて認識することは大事ですね。14年目の弁当生活のよい刺激となりました。
帰りにまた怖い電車に遭遇したこわいこわい(わたしが使徒認定している叡山電車「ひえい」)
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