東京弁当生活帖。ができるまで(撮影編)
「東京弁当生活帖。」ができるまでのお話。この本に出てくる写真はすべて自力でコツコツ撮影しています。(妹から借りたOLYMPUS PEN)そしてその後のPhotoshopでのレタッチ(色彩や明るさなどの画像補正)も昔取った杵柄で自力でやっています。正直なところお弁当を作るよりもずーっとハードだったね、そりゃあね。
実家撮影の一部始終
お弁当写真は主にうちの玄関で撮影しました。土間状になっているので広いのと、自然光が入っていい陰影になるという理由で。何の為にあったのかサッパリわからない寺子屋みたいな木製の長テーブルを母が出してきたので、殆どのお弁当の背景はそれです。ただし異常に低いので撮影時は常に中腰状態でして、早々にひどい腰痛になりました。
白い布はうちのIKEAシーツ
たまに白テーブルでも
後半になるとなんかタンスの引き出しの裏みたいなのとか、光量不足を補う読書灯とか、木製のお盆とか、使えそうなものを色々と実家内で調達して補完。やっぱり実家、さすがに何でもある。
主な作業の流れ
写真って1枚パチリ、じゃ済まないんですよね。わたしもポンコツデザイナー時代に大量の「候補写真」を選定したり撮影したりしたことがあるのでとにかく枚数を撮りました。一品につき少なくとも数十枚ほど。
- おかずのPICKUP撮影←よく忘れた
- お弁当の撮影(木の背景x家の外と中)
- お弁当の撮影(布スタイリングx家の外と中)
- 夕方に全部Dropboxにアップロード
- 候補写真をピックアップ
そら腰痛にもなりますよ
PICKUPやバリエーションのおかずは、実家にあった小皿を色味を考えて使っています。PICKUP(丸窓)で皿に乗っていない写真は完全に弁当に気を取られて撮影し忘れたやつです。あとはおにぎりがとにかく大変だった・・・!色が飛ぶ&影が付くので白いものを撮るのってすごく大変で、デザイナーさんのアドバイスを受けて黒い紙で三角に囲んで一緒に撮影したりしたんですが、結局レタッチのときどうしようもないのは印刷所さんを頼りにしました。素人の限界。
物撮りの舞台裏
小物やお弁当箱の背景は撮影スタジオをマネて特設ステージをつくりました。こんなこともあろうかと白いIKEAのシーツを持ってきておいてよかったぜ。DIY!無かったらつくる!
笑ってもいいよ
でもこれも完全に屋外なので影や光の方向などの兼ね合いがあって(ベストは晴れめの曇り空)、「ダメだ!時間がおそすぎた!」で翌日に持ち越し、特設ステージを分解、などと非常にまどろっこしい作業をしていました。でもまあ、何とか撮れてると思うよ、こんな貧乏づくりにしてはw
いろいろなことがあった
自然光で写真を撮るのって、簡単だけど難しい。いい具合に色味や構図が光と合うかどうかって具合がわかりだしたのは後半戦になってからだなあ。
お天気と日照時間問題
8月の直射日光は強烈。最初の方に作った定番弁当はまだいい具合の自然光に恵まれるポジショニングが定まらず、ガチ直射日光の下で撮ったものもあります。(塩鮭や五香粉焼きそばなど)あと、天気が悪すぎて9月辺りは本当に天気予報との戦いで、雨の日に一生懸命ライトを付けたり、早起きして午前中だけ撮影したり。10月頃になると日照時間がどんどん短くなる(夕方撮ると青くなる)ので時間もどんどん繰り上がりました。
ヴァッ!と予想外の強風
いろんな人が通る問題
玄関ですので、色々な人(とたまに猫)が通ります。牛乳屋さん、洗濯屋さん、ヤマトの着払い(えっ)、見知らぬ高校生などなど・・・。親戚のおばちゃんには「何してんの」と言われましたがうまく説明できないので「本出すの」とだけ言いました。
ガタツキを福井新聞で補正
弁当写真のポリシー
どんな写真にするか、って話し合いも事前にしたのですが、わたしが普段ブログで撮っているような写真の延長線でキレイに撮りたいな〜と思いました。本が出て写真がキレイってコメントを貰うと、とても嬉しいです。
真上から撮らない
もうお弁当写真つったら俯瞰ですよ、俯瞰。真上から撮った写真はまるでイラストのように美しくてスタイリッシュに見えるのは何のマジックなんだろうか?素敵だとは思うけど、そろそろ俯瞰、飽きた。
わたしは「食べるときの角度で撮りたい」と思うので、普段からほぼそのような角度でおかずを詰めたり写真を撮るようにしています。真上から弁当見て食べなくないすか。あと立体感が失われるのがイヤなんだなあ、特に曲げわっぱのときとかね。
変なエフェクトはかけない
よくインスタで食品にビンテージみたいなエフェクトかけてるのを見ると、うえー勿体無いと思う。多少彩度を上げたり明るくしたりはわたしもするけど、過剰な黄色みとか青みをかけてごまかすのは、唐揚げとかが可哀想だなあと思う。
ということで、このようにコツコツと撮りためた写真が詰まっているのが東京弁当生活帖。でございます。ひどくアナログですいません。つづく。