著作掲載「おでかけアンソロジー ひとり旅」発売のおしらせ
そういえば本を出版したこともあったわたしから、掲載作品のおしらせです。
本日3月12日発売「おでかけアンソロジー ひとり旅 いつもの私を、少し離れて」(だいわ文庫)に、2017年(!)に出版した『そうだ、台湾いこう』の一部をご掲載いただきました。だいわ文庫の人気「アンソロジー」新シリーズの第一弾、40人の著者が綴る、ひとり旅をテーマにした珠玉のエッセイ集となっております。
ご掲載いただいたのは旅日記本編冒頭の「旅の始まりは空港野宿から」部分。ああ、懐かしい。文に書き起こしたからか、もう10年近く前のことなのにあの夜の空気感や横たわった椅子の冷たさ、薄ら寒さをまだ覚えています。ひとり旅の空港野宿ってシビアだけどワクワク感に満ちていてそれで眠れなかったりもするんだよね。
わたしの部分はほんの4ページではありますけれど、「ひとり旅」をテーマに新旧さまざまな著作からセレクトされたおいしいとこどりの選集となっていますので、いろんな世界観を旅するようにお楽しみいただければ幸いです。
久しぶりに引っぱりだしてエモい
(※ちなみに元作品「そうだ、台湾いこう」の方は既に絶版となっておりまして、電子書籍もしくは古本界隈でのみお楽しみいただけますことをご案内しておきます)
なぜお前がこの並びにすぎる一冊
ちょっと聞いてくれる?
この本、著者ラインナップが凄まじいんですよ。アンソロジーなのでいろんな時代の著名人が勢ぞろいでね、教科書に載るような文豪までいらっしゃるわけ。角田光代さんから始まって、村上春樹、遠藤周作、西加奈子、小川糸、椎名誠・・・中原中也に荻原朔太郎まで作品が収録されているわけなんだよ。あの太田和彦に中島らも氏までいるんだぜ?
旅じゃなくて「ひとり旅」なのがいいよね
裏帯にも豪華な著者がずらり
そこで、ほうらよく見てごらん。
どう考えても場違いな素人が紛れ込んでいるさまを。
上を見上げても下をのぞいても有名人しか住んでいないマンションだよ。こんなにすごいことになっているだなんて献本をいただくほんの先日まで知らなかったから、届いてさすがに二度見したわ。
お前誰だよ
著者全員確認したけど皆さまほとんどが、小説家文筆家エッセイスト詩人歌人ライター漫画家評論家といったようなプロ、しかもとても知られた皆様で、わたしの旅の道すがらのiPhone殴り書き日記を混ぜていただくなんて恐縮もたいがいだよ。まるで、静かな夜の商店街に突然現れるメンズエステの看板のような、唐突なチープさ。なんだか本当に恐れ入ります。
企画編集の皆様が検索中にウェブで引っかかったのかな、これだけの文豪がいても、逆にネット界隈に文字を投げて続けている住民なんてわたしとスズキナオさんぐらいだからね・・・池波正太郎はブログ書かないからね・・・。弁当本を再出版して、まさかこのごに及んでまだこんな展開があるだなんて予想だにしなかったよ。牛なのかな?ってほど反芻してるやん。ありがとうございます。
わたしに沁みた収録作品
ザッと一読させていただいて、特にグッと心に沁みたのが井上靖先生の「日本紀行」から抜粋された『旅情』の一編。ひとり旅のあのなんとも言えない解放感とか高揚を端的に言葉にしていただいたようなパートだったな。「旅行者の立場に自分を置くことによって、五感はそれ本来の機能を取り戻してくるかのよう」という一文にあまりにも共感してしまった。
わたしにもなぜか忘れられない光景がいくつもあって、それを思い出しながら「旅情とはなんたるか」というテーマを読み進めました。旅でしか得られない独特の内省みたいなものを言語化していただいたようで、めちゃスッキリ(感想がチープ)
アンソロジーシリーズ、って普段読書から遠いわたしでもなんとなく聞き覚えがあって、今回調べてみたら「アンソロジー お弁当」という既刊があったので早速ポチりました。ひとつのテーマの下でいろんな小さなストーリーが集まるのって楽しいね。一編が短くて読みやすいし、途中で区切りやすいから、集中読みできない母勢にもピッタリだわ。
よかったら是非この機会にご一読ください。