そうだ、モロッコからパリまで行こう

今日の旅メモ(day10 ジブラルタルからグラナダ)

シャフシャウエンからグラナダへの大移動の日。朝5時半起きで準備。受付の兄ちゃんがプチタクシーを呼んでくれると言っていたのだけど案の定誰も居らず、隣の部屋で爆睡する兄ちゃんを起こして電話してもらう。6:45のバスはまだチケットも取っていないので一刻も早くターミナルに行きたい。てか間に合うのか?もう歩いて行くにはアウトな時間なんだけど?ヒヤヒヤする中、ようやく6:25になってタクシーがやってきて20DHでターミナルに到着。

一番早い北行きの民営バスはNejmeChamal社の6:45。観光客も沢山いるけどみんな7:00発のCTMカサブランカ行きのに乗るみたいだ。ボックスオフィスは閉まっている。困っていると近くにいた優しそうなキャップおじさんが「もうすぐ来るから待ってなさい、6:45に出発とは限らないから」と言う。6:43ぐらいに来た係員に話をしてくれてバスで直接45DH(570円)払い、10DHで荷物を預け、同じバスに乗った。そしておじさんの言う通り、バスはCMTよりも遅い7:05にようやく出発した。早朝からほぼ満員。

霧に煙る大きな山がピンク色の朝焼けでシルエットになり、レンガでも焼いているのか工場の煙突から煙がモクモク出ている。うんざりするほど何度も曲がりくねる山道を進む。隣のキャップおじさんはスペイン人でグラナダ在住らしい。あら。ほとんど英語は話せないので、ほどなく2人とも話すこともなくなり寝た。

2時間半後の9:40頃にはタンジェのバスターミナルに着いた。何も言ってくれないのでいまタンジェなんだな、って降りる場所を確認するのにもgoogleマップがかかせない。ガチャガチャのターミナルに降りると、途端に浅黒いドライバーが寄ってきて70DHで移動先の新港タンジェMEDまで行くとスペイン語でがなった。事前チェックだとそれは高すぎるぞと思い断った。この町、ガツガツしてて騒がしくて嫌だなあ、早く出たい。


一刻も早く去りたいタンジェバスターミナル

誰か英語話せそうな人いないかなーと人混みの片隅で佇んでいると、お茶してた第一村人みたいなおじさん2人と若者にスペイン語で話かけられた。アングレースと言うと少しガッカリしていて、悪い人ではなさげなので「タンジェルメッド!タクシー!」と言うと、お前連れてってやんなさいよとおじさんに促された青年がとあるタクシー乗り場まで連れてってくれた。

40DHしかないの、エスパーニャに行くの、フェリーに乗るからタンジェルメッドに行きたいの、と矢継ぎ早に話したら、青年は英語を話す悪い客引きをかわし、乗り合いタクシーに話をして、35DHでカタをつけ、私の荷物をトランクに入れてくれたのだった。すでに恰幅のいい2人が後部座席に乗っている。どうやら必死で何か言っているのは、乗り合いだから助手席にもう1人乗るかもよ、ということらしい。いいよ別に30分だし、と承諾した。青年よありがとう。あなたに日本の八百万の神様から幸せが届きますように。グラシアスシュクランメルシーサンキューとありったけの知ってる言葉で感謝をして頭を下げたら、いいんだよと目を閉じてゆっくり頷いた。

ほどなく、エクスキューズミーと林家こぶ平似の小綺麗なインテリぽっちゃりが現れた。えっ!乗るの?なぜ助手席相乗りでそのこぶ平を乗せる!?やむなく私は足を助手席に少し残したまま尻を運転席との間に入れた。しかし相当な旧型のマニュアルなもんでそこにはデカいギアが鎮座しており、2速と4速の時にゴンゴンギアが尻に当たるのを避けなければならないため、更にねじれて天井に手を置いて体重を支える、しかも腹にはリュック、というヨガで例えるなら「ねじりながら尻の1点で体重を支える重り付き木のポーズ」という最難関のポージングをキメながら30分、一路タンジェMEDへ向かった。


ヨガ最難関ポーズからの写真撮影

左足がすっかり痺れて動かなくなる頃、海が見えた。ああ!ヨーロッパがかすかに!こんな乗り方でタクシー相乗りしたらちゃんと取り締まってくれるヨーロッパがあそこに!閑散とした港の道端でポヨンと落とされ、こぶ平がここを真っ直ぐ行くんだよと教えてくれた。こぶ平、清潔で体臭もゼロだったから低反発まくらみたいで全然隣でも平気だったよ、ありがとう。


こぶ平が、左に真っ直ぐ行けとだけ

ガラーンとした巨大な建物を行くとそれらしき雰囲気が。あと一歩や!今回、旅というよりはチェックポイントをクリアしていく脱出ゲーム(RPGほどのロマンはない)に限りなく近いので、この瞬間がアハ体験。


Gareって駅のことやんなここやんな

1人のおじさんがこちらから入るんだよと教えてくれたが、そのまま付いてきてチケットはここで買うんだよ、からの書類は書いてあげるね、とあれよあれよで段取りした。ああ!しまった、これが噂の代書屋だ!自分でも書ける書類を勝手に書いてくれた彼はマネーをポコくれ、と言って10DHさらっていった。金は沢山余っていたけど、旅人の不安につけ込むやり口が気に入らない。宝塚ばりに怒ったアクションをして去った。そうだった、まだここはモロッコなんだよな。

11:00、とにかくデカい建物だけど不安になるほど人がいない。いや、いるけど客のキャパにあってない。Jooheeが午後は混むから早くいきなね、と言ってくれたのだけどパスポートコントロールも、セキュリティも、待合室もほぼ一人のままで出国を終えた。


みなとー


まちあいー

日本人や韓国人がここで、不正を試みる中国人と間違われて通されない事があると聞いてきたのだけど、こんなゆるいボーダーで?ひっかかんの?おっちゃん3人がかりで朗らかウインクだったのに?とにもかくにも11:30、あっけなくシャトルバスに乗って港からフェリーへ移動した。出発は12:00。

フェリー前に再度チケットチェック、パスポートチェックがあってから係員誘導で船内へ。おお!すごい!両端にはサンデッキとカフェ、レストラン、上にはスポーツバー、キッズルームにシネマが2つ。文明がここに…さっきまでスクラップみた
いなタクシーで来た身としては涙が出そうな充実ぶり。


パスポートチェック


レストランが!


受付が!


カフェが!

すでに英語すら通用しないカフェでミニッツメイドとプラムの朝ごはん。ハイハイ、モロッコディルハムは使えるけどお釣りはユーロなのね、全然いいよ。ある程度取られるけどモロッコディルハムを2000円分ほど残していたので、全てここでお釣りとしてユーロに変えた。初めてのユーロゲッツ。

なかなか積荷が終わらず12:30を過ぎる頃出航。スペインは+1時間なので時計の時刻を変え、ここまで大活躍してきたモロッコ用ポケットWi-Fiをオフに。規定の国以外で繋ぐと凍結するらしいですよ。


朝ごはんらしきもの


モロッコは遠くなりにけり


ホッとしてドーナツ買った。まずい

1時間半で到着したスペインのアルヘシラス。入国とセキュリティを終えて外に出たら、何もない。ATMでユーロを補充し、インフォで道を聞き、道端で道を聞いたけどわかんないから戻ってフェリーチケットブースのアフロ兄さんに地図を描いてもらった。ここから10分歩くとバスと電車のターミナルらしい。


なんもないアルヘシラス

バスターミナルで早速グラナダ行きのバスチケット26ユーロ(3500円)を購入、16:30の出発までに間があるので水を買いカフェに入った。Wi-Fiずっと3G!ヤホー!快晴すぎて汗だく。金曜夜の東京を楽しむ友達の皆さんとLINEするなど。トイレに入ったら紙がなかった。これは妖怪のせいだ。ようやく流せる妖怪ティッシュが活躍して嬉しかったです。


きれいなバスほぼ満員


夕方マラガ経由でついた

約4時間のバスの旅。まだ日が長く、辺りが暗くなる夜8時頃にようやくグラナダへ着いた。もしかしたら今日はマラガやアルヘシラスに泊まらねばならないかな?と思っていたので、ゆうてもスムーズにここまで大移動できてよかった!ムイビエン!バスの中で宿を3泊予約した。


オリーブ畑と山々がムイビエン


グラナダバスターミナルは駅より少し北にある

タクシーに乗った。メーターだ!交渉価格じゃない!ドライバーさんは私を見てトランクを開けオラと優しく挨拶した。ムイビエン!ヨーロッパだー文明だー!宿はオープン仕立てで新しく、ドミは広くてクリーン。一階のバーに早速酒を飲みに行った。一杯頼むと美味しいツマミがやってくるタパス方式でサイコー!泊り客は10%オフでワインは一杯300円。


宿の窓から


まずはビーノ、若鶏フリッター付き


そしてセルベッサ、ムサカ付き


更にビーノ、カポナータ付き

明日は早起きしてアルハンブラ宮殿の当日券が手に入るか探ってこよう。もう旅も三分の一が終わりましたね。ヨーロッパ編、はじまります。

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