そうだ、台湾いこう(書籍化版)

今日の旅メモダイジェスト 2017.3.6 花蓮カフェ巡り

朝8時起床。隣の広東ちゃんは起きて5秒で歯を磨き、シーユーと風のように出て行った。今日は予想通り天気が悪い。風も強い。花蓮で天気が悪いと八方ふさがりだわ、台北ならしっぽり茶藝館に篭ったりお買い物に行ったりもできるけど。

ホステルの朝ごはんは薄いトーストとお茶ぐらいなので、前にある「嘎嘎叫早餐」に入って蛋餅と豆漿を頼んだ。探してきてくれた日本語メニューが謎。粗めの翻訳に逆に混乱した。マグロの砦ってなんですか?ツナ缶?

さて、することがない。こうも天気が悪いと自然系のアクティビティーが充実している花蓮では都合が悪い。また駅前のGIANTで自転車でも借りて七星譚へサイクリングにでも行こうかと思っていたのになあ。タロコ国立公園にこの天気で行くのもだいぶ無意味よ。ちぇ。

早めのお昼に「一碗小」。古い日本家屋のリノベで、シックな一軒家の中が食堂になっている。ホールの片隅に格子のついたてを隔てて置かれた自習席のような学習机、そこに丸椅子が2個。壁に向かって食うのか・・・受験勉強のようだ・・。お姉さんのオススメを聞くという選択放棄行為に出たら麺線がすきだというのでそうした。スープは二種類、辛いやつとスッキリ清湯スープ。小さいほうを選んで、おかずに干し豆腐。

しっかり美味しく食べ終わりお会計。155ドル。お金を出しながら「イーバイ(100)。。。」と詰まると、レジのお兄さんとホールのお姉さんが2人して「ウースーウー(55)!」と声を揃えて笑う。今回もこうしてレジで数の数え方を教わっている次第。玄関で振り向いて、わたしの定番ワード「ハンハオツーラー!(おいしかったでーす)」を唱えると、2人とも面白そうに笑って手を振ってくれた。

「璞石咖啡館」に入った。ちょっとクラッシーな一軒家カフェ。台湾は紅茶や中国茶など本当にお茶の種類が豊富なので、単にアールグレイ、などと味気ないオーダーはナンセンスだと思うので、できるだけ現地の有機手摘み茶みたいなのを頼むようにしている。それでもせいぜい300円程度だからカフェ巡りは地味に楽しい。

13時半、次のカフェに移動する。外は小雨が降ってきた、マジかー。次のカフェ「Giocare義式.手沖咖啡」スタートは14時から、目の前の公園で痩せた犬を見ながら海風と土埃に吹かれつつ時間を潰して、一番乗りで入店することになった。フゥ。

14時ちょうどにドアが開き、その横のシャッターがガラガラと上がる。そこはこだわりのコーヒー豆が並んだカウンターになっていて、お店やさんごっこな感じでテイクアウトが出来る仕組みになっていた。

ベレー帽をかぶったロングヘアーの素敵なお姉さんは、この人の方が英語ができるからと中に入ってデニムの人を連れて来た。ショートカットのボーイッシュなその子は「今日は寒いから同じ系列のこの店に行ったらどうかな」と名刺をくれる。

本日三軒目のカフェ「半寓咖啡」にやって来た。先ほどの「Giocare義式.手沖咖啡」は庭先でちょいと展開しているアットホームさだったけど、こちらはそのままになっていた表の看板を見る限り、昔は何か別の商店か何かだったんだろう、がらんとはしているけど逆にモダンでステキ。

さっきこの系列のカフェに行ったんだけど寒いからこっちを紹介してもらったの、と言うと「ええ、さっき電話があったのよ」とのこと。素朴な印象だったのになんてご親切なんだ。

背後の書棚には東京生活再製造、三回目的京都、など日本のトラベルブックが置かれていて思わず読みふけった。2回目じゃなくて3回目なのか・・・そこまで行くとよくあるお寺なんかじゃなくてカフェや郊外の観光スポットなどが掲載されているわけで、わたしが見てもとても参考になった。東京本には隈研吾氏や松浦彌太郎先生を皮切りに、東京の比較的ハイセンスなスポットや職人の店が出ている。し、しらねえ・・・(笑)

今日は天気悪いからカフェ巡りしてるんだ、なんかオススメのカフェある?と聞いてみたら二軒教えてくれた。どちらもこだわりの豆やこの店の豆を使っているカフェ。そうだよな、素敵なカフェは素敵なカフェの店員さんに聞いたらいいんだよな。「是非次に行ってみて」オッケー、なんかこれいいとも式になってきたけど少なくともGoogle先生が教えてくれる淡々としたレコメンドより遥かに正解率の高いリコメンドだ、ご紹介のところに行ってみましょう。

歩いてみると意外とこの辺たくさんのカフェがあることに気づく。どれも小さな、昔の建物を生かしたカフェが多い。

通りすがりに素敵だなと思っていた「浮室 soave plan」に入ってみた。真っ白な壁、スッキリした木製のテーブルと椅子、高い天井でお洋服屋さんのようなモダンカフェ。音楽も程よくアンビエント。入り口にはこのカフェセレクトのシンプルな陶器やお皿が置いてあって、1枚裏をめくってみたらバッチリ日本製だったので「ですよね」と思ってそっと置いた。店員さんは昔のアナスイみたいに真っ赤な口紅とロングヘアーのモードな感じ。

外に出ると街角の一角に人だかりが。みんなゴミ袋持って、ああ、ごみ収集車の時間なのね!わたしの中国語の先生インファちゃんがいつも「そろそろゴミ出しに行かないと行けないから」というので、それはどういうことなのかと聞いたことがある。指定の時間に指定の場所で、通り過ぎる収集車にゴミを投げ入れていく人々。おーこれが噂のごみ収集!熱いまなざしで見つめた。これはうっかり遅れたら本当にアウトのやつやな〜大変!

ひとつ前のカフェのぶかぶかニットちゃんオススメの先ほどのカフェ「Caffe Fiore」へ。扉が開かない。おや?と思ったら中から開いた。このカフェは2匹の猫が店内をウロウロする、猫飼いカフェなのだった。キレイな猫ねー可愛いな〜。

外見的にきっとあると思っていた自家製デザートはやっぱりあって、いちごのチーズケーキと抹茶入り玄米茶をオーダーした。

書棚に置いてあった「好吃」という雑誌。見ると表紙に「我們的熱愛的廚房道具」、つまり「わたしたちの大好きな台所道具」。見るでしょ。台湾のはるみ先生的スタンスでしょうか、生活セレクトショップPEKOEのオーナーYilanさんや生活系著名人の『とある休日の朝ごはん』、お気に入り道具などなど。日本の台所道具もたっくさん乗っているのだけど、台湾ならではの茶器なんかも載っていて参考になることこの上なし。厳選ショップ七選!は全部写メった。帰ったらこれ全部マップにコピーやな。この雑誌、パン特集や粗食、発酵食特集などいい感じの特集が毎号組まれていて毎月読みたいレベル。日本で手に入るのかしら。

目の前のお店が花蓮食材を使ったチョコレート屋「choco choco手工巧克力」さんだったので、バラ売りしてもらった。馬告や花椒などのスパイスを使ったホワイトチョコと、小米酒入りのトリュフ。スパイスのチョコがわかりやすくびりっとしてて美味しかった。花蓮は名産物推しのプロダクトがたくさんあって楽しいな。

二度目の「液香扁食」。ちょっと色々飲んだり食べたりしてきちゃったものだから、ここのピエンシーの繊細なスープは物足りなく感じてしまったけどやっぱりワンタンは肉の旨みがジュワッと濃くて美味しい。戸棚にひき肉のたっぷり詰まったバットが置いてあるぞ。なに入ってるのかなあ、なんか秘訣があるんだろうか。

古い倉庫を使った商業ゾーン、花蓮文化創意產業園區を抜ける頃に雨が降って来た、19時。

今晩もまたウェイさんのいる「Ginsman Bar 琴詩酒吧」。ウォッカを使ったカクテルをお願いします、と今日もふんわりオーダーをつたえたら今日はオレンジの香りがするホットティーカクテルが出てきた。雨の降る中冷えた体にじわーん。

今日はどんどん若いお客さんがやってきて賑わう店内。平日の常連客がたくさんいるんだなあ。黙々とブログを書きながら2杯目をオーダー。今度はバターの浮いたミルクベースのホットラムカウ。あったかいラムレーズーン。おいしーい。

部屋に戻ってシャワーを浴びると広東ちゃん。「わたし夕方に4時間ぐらい寝ちゃった…」今日はタロコに行ったらしい。よくもまあこんな天気で行ったね、でも仕方ないよなあ。ガイドさんがツアーで、中国にはもっと綺麗な景色があると思いますけどまあそれは黙っといてください、って注釈した話とか(笑)明日行きたいというリノベ古本屋のこと、朝食どうする話、いとこに頼まれて中国人の大好きな雪肌精ドッサリ買った話、明日はせっかく七星譚に泊まるのに悲劇的に天気が悪い話など隣同士のシングルベッドとダブルベッドに腰掛けてぺちゃぺちゃ話をした。

悲しいことに台湾の天気は上から下に来るらしく、花蓮の天気予報はこの先1週間ずっと雨。そして南下する私の行き先もずっとおそらく雨であることが発覚して絶望的な気持ちになった。追い討ちをかけるように「ケンティンは雨だったらすることないわ…。今日みたいにカフェに行き倒すしかないわね…。」と伏し目がちに言う広東ちゃん。

ケンティンはビーチなので個人的に暑くて晴れてリゾート、と初めてのステイを楽しみにしていたのにお先真っ暗である。「もうそれはケンティンの雨の日の過ごし方、って記事を書くしかないわね…。」広東ちゃん、わたしそんな特殊記事、書きたくないよ…。とりあえず、寝よう。

にほんブログ村 料理ブログ お弁当へ

-そうだ、台湾いこう(書籍化版)

この記事をシェアする!