今日の旅メモダイジェスト 2017.3.7 花蓮〜池上/關山〜台東
9時起き。チェックアウトしたら朝食の薄いトーストにジャムをべったり塗っているアメリカ人のビル・マーレイ似のおじさんに話しかけられた。この手のおじさんはユースホステルにはたまにいて、フレンドリーでできたような人、というかフレンドリーだけで動いているようなタイプ。
フィリピン人妻をミシガンに置いて毎日行き先も決めず、浮雲のように時折旅するビル(通称)は、ひたすら日本愛を語り、下手するとついてきそうだったので適当に切り上げた。日本を褒められるのは嬉しいけど、来たことない人に褒められるのなんかちょっとどう返していいかわかんないw それにしてもやかましかった。すごい長生きするか、突然ぽっくり行くか、どっちかのタイプだな、ビル(通称)。
花蓮駅で11時のチケットを買う。切符売り場の兄ちゃんが「俺、四月に東京行くんだよー!」と嬉しそうに言う。さては秋葉原かな(偏見)。楽しんでね。
改札脇でお弁当の売り子さんが「弁当ー!弁当ー!」と大きな声でお客を呼んでいる。花蓮のスペシャル駅弁も売ってて(見た感じさして変わりはないが)次回きたら是非食べたい。プユマ号にも弁当売りが回ってきたけど、箱の中を見せる気ないのがすごいな。弁当は弁当!ってことだな。
寒々しい山々を越えて12:20池上着。さっむ。台東の米どころだけあって周りは田んぼ。小さな駅は新しくてとても綺麗。すぐ外に「全美行」の看板が見えた。
停車した時に何人もドアから身体を半分出して弁当売りを待っていたようだったけどいなかったの、かわいそうだった。俺は絶対食べたいので、降りるぞ。
カウンターで80ドル払って伝票をもらう。それを奥の厨房カウンターに出したら無愛想なお姉さんがポンとお弁当をくれる。煮卵やキャベツなど台湾駅弁らしい駅弁。この包みがね、いいよね。
ここでいきなりスマホがフリーズ。画面、真っ白じゃん。どうした。アプリ全部無くなってる。ホームボタンと電源ボタンと一緒に押してもうんともすんとも言わないし、アレ?
▼ここからパニックタイム▼
やべーなーこのままだとこの先どうしようもないぞ。その前に今晩の宿にもたどり着けないし、写真の記録もできないし、旅メモも書けないぞ。
池上飯包博物館に立ち寄るも気はそぞろ、再起動ができないんだったら、このまま充電がなくなるまでひたすら待って自動的に電源が落ちるのを待たないとダメだ、と結論づけた。それでもダメだったら、新しい携帯買おう。こっちだったらAndroidなら安く買えるかも。
ゴーストタウンみたいな池上でも電気屋はあった。ざっくり事情を伝えたら何か相談できる可能性あるか?電気屋のじいちゃんは携帯カバーを外すと「林檎・・・」とつぶやいた。巨大なスマホメーカーがある台湾では主流はそちら。アップル全然メジャーじゃない。「このパソコン使っていい??」レジカウンター内のパソコンを指差し、じいちゃんの開いたヤフーでGoogle翻訳探して会話。
お礼言って外に出た。が。はっ!!!やべえ!宿の場所わかんない!クルリとUターンしておじいちゃーーん!とまた店に入りパソコン指差しダッシュでレジ中にイン。2人で宿調べ。見知らぬパニック日本人のトラブルに巻き込まれたおじいちゃんはわらって「慢慢走(ゆっくりね)」と送り出してくれた。
いてもたってもいられず、改札の駅員さんに聞いてみるけど英語はカタコト。この待合に英語を喋る奴はいねがーいねがーと鋭く目を光らせて若者に熱い視線を注いでみるものの怪しまれるだけなので、まあいいやと振り切って電車に乗ることにした。
お隣に荷物をゴソゴソしている人の手に日本のパスポート。日本人の方ですか!留学生のムライさんという救世主現る。30分ほどで關山駅についてしまったので「それでは弁当買ってきます、ありがとうございました」と外に出ると目の前に弁当売りのお姉さん。一個ください!
本日二度目のUターンをして車内に戻る。「ムライさーん!お弁当が買えました!乗り越します!」前に座っていたおばあさんがポンポンと隣の空席を叩いてここにお座りよ、とジェスチャーしてくれた。色々なアドバイスや感想をおばあちゃんは30分間話し続け、ムライさんはひたすら翻訳して教えてくれた。
台東着。タクシーの運転手にすっかり覚えたわたしの宿の住所をおばあちゃんは伝え「バイバイ!」と微笑んで駅に戻って行った。たくさんの人にお世話になったので、たくさんの人にお返しせねば、とこのわたしでも思うほどお世話になってしまった。
今晩の宿はB&B「成功66民宿」。若いご夫婦に事の顛末を伝えて、小雨の中、メモと地図だけを頼りに外へ出る。ああ!心許ない!中華電信のショップを見るも携帯超高い。気を取り直して行きたかった「台東帆布行」に行くが類似点が隣接しているそれが「東昌帆布行」であることに気づかずお買い物。Googleマップないから。
看板に「中古手機」と書いてあるガラーンとしたしょぼい店に入って見る。中古だといくらかかるんだろう…。強面の太ったお兄さんがには全く筆談でも通じず英語の友達に電話してくれた。ひとまずアップルの店に行ったらどうかと提案を受ける。あるんかいな!あーちょっとかすかな望みが見えてきたぞー!今日で何人目かの救世主にまたもぺこぺこさると、「いいよいいよ、大丈夫」とニコニコしながら笑っているので渾身の感謝ワード「非常感謝」を放つと大ウケしていた。でもこんな仰々しい言葉にふさわしいぐらい、ほんと感謝感謝だよ。
この辺かなあ、と不安な気持ちで店を探す。アイスクリームストアの前で英語が聞こえたので、君たちー!と放課後の外人高校生たちを捕まえて連れてってもらった。
iPhone7ね了解、と彼はわたしがやっていたのを違うボタンを二個同時押し。アッサリ再起動してスマホ復活。えーーーーーー!別のボタンを二個同時押しするやり方にいつの間にか変わっていただけなのだった。そういえばスマホ新しくしてから一度も自分で再起動したこと、なかった・・・。こうして沢山の人を巻き込んだ大事件は幕を下ろした。バカみたい。
▲▲パニックタイムここまで▲▲
一息つこうと「小慢珈琲」へ。カメラには壊れてた時のエラー写真多数。このままだったらと思うと震える〜!でも久しぶりにペンとメモだけを握りしめて歩くのも原点回帰ってことでよかった、だろう…。
部屋で日本のテレビ番組見ながら關山便當。こっちの方がアッサリしてて好きかも。
台東帆布行へリベンジ。本当にすぐ横にお店があるんだね、紛らわしいったら。こちらは先ほどの店よりデザイン性があるけど高い。この値段は、ちょっとこの素材では微妙だわ。 わたしは東昌帆布行に一票。
シェラトンホテルへ。キレイ!広い!今日は新しい携帯を買ったと思って8階のムーンバーでお酒飲んじゃうぞ、という中年の発想。
とはいえ店員さんのレベルはまあまあだったけど、田舎はこんなもんだろな。2杯で1700円のひとり打ち上げであった。ああ、スマホ大事だ〜(震)