京都五山の送り火 大文字見学 in 吉田山
京都のお盆といえば五山の送り火、通称大文字。昨年は見られなかったので今年初めて見に行ってきました。以前「東京→京都に住んだらこうだった(引っ越し1年の雑感メモ)」にも書きましたが、不動産話でなにかと大文字が見える見えないの話になるぐらいの京都民には大事な夏の風物詩ですね。
なにかと風情重視になりがちですけど、ご存知の通りこれはお盆に帰ってきたご先祖を送るという仏教的儀式。「NHKワールド」の左大文字特集を見ていたら、昔々は「この世」が京都御所で「あの世」が京都を囲む山々と考えられていて、あちらに戻るための道標ビーコンとしての役割を果たすんだよとか、付帯する保存会の皆さんの様々な儀式とか当日の役割とか、いろいろ勉強になって予習バッチリ。外国人向け情報って懇切丁寧で初心者に最適。
大文字は結構どこからでも見える
その名の通り京都を囲むようにして5つ(大文字、妙法、舟形、左大文字、鳥居)に火がつけられるのですが、まあ複数一度に見るとなるとこんなに背丈の低いビルしかない京都でもなかなか至難の業でして、たとえ見れたとしてもひとつひとつが超遠くなる、という弊害があるので今年は一番メジャーどころの「大文字」に絞って見学。場所でいうと大文字山はざっくり銀閣寺とかのあたりでございます。
ここの一番人気の鑑賞スポットは出町柳の鴨川デルタあたりなのですが、バスで通ったら2時間前で場所取り地獄みたいになっていたのでスーッと通り過ぎて百万遍から東へ。この辺ですでに結構見えるのね。
めっちゃ見えるやん
さらに西へ向かうと大文字山はすぐそこ。欲を出して更に山に近づくと今度は近すぎて「大」の字の下のはらいが見えなくなるという状況になったので白川通を越えないあたりで見る方がちょうど良いみたいね。
住宅地からも大文字
スーパーの横なにげにベスポジ
もう別にここでいいんじゃん?という話にもなりましたがせっかくなのでより見やすいポジションを確保すべく大文字山の向かいにある吉田山に登りました。
吉田山から見る大文字
吉田山の頂上カフェ「茂庵」に行ったときにあまりにも大文字の跡がキレイに見えたので驚いたのだけど、あのときの記憶がここに来て役立ったよ。いやーいろいろ行っとくべきだねホント。点と点が初めて線になりましたよ。神楽岡口から3分ぐらい登っただけでもうバッチリ。
お仲間登山者多数
なんか懐中電灯がピカピカしとるねえ!
暗がりで20時を待つ
目指したポイントにはすでに一眼レフおじさんが数人陣取っていたのでこの選択は間違いなかったと確信。送り火は20時の大文字を皮切りに5分おきに次の山に火がつけられるので、ひたすら氷結を飲みながら待機。マックスでもせいぜい40人ぐらい、遮るものもなく写真じゃ遠く見えるけど実際は手のひらいっぱいぐらいの大きなサイズで大文字が見られるよ。
問題は山の中の蚊ですが、わたしは身体中に北見ハッカ油をぶしゃぶしゃ振りまいて登ったので被害ゼロでした。ただし身体がスースーして体温が奪われまくり凍えるように寒かったです(笑)
大文字うまく撮れない選手権
20時。ドローン飛びまくってる!鐘が鳴ってる!誰か叫んでる!遠くから見るよりもずっと臨場感があるのがこれまた激近ポイントのいいところ。「おーついたついた!」でみんな一斉にシャッターを切るのですが、当然ながらあまりの暗さにiPhoneごときでは全くピントが合わない。行政からライト落としてくださいって要請出てるぐらいだし山の中だしそりゃそうよね。「ダメだ!」「ボケる!」「動画もあかん!」と口々にボヤきながら『大文字うまく撮れない選手権』の開催となりました。
ああああ!ついたーーー!
火事みたいになるよ!
完全に燃えてるよ!
タイミングがちがうよ!
四苦八苦しながら撮影を試みるも、あまりにも撮れないので結局もうお山に手を合わせて眺めるだけになり(それが正しい見学)、一眼レフおじさんのそれぞれの作風を後ろからチラ見するという楽しみに切り替えました。
みんな違ってみんないい
帰り道でも大文字
大文字はだいたい20分ぐらい持続して火がついていたでしょうか、だんだんストロークの細くなる大の字を見ながら帰路につきました。この儚さがジャパンの美だねえ。振り返り振り返り帰りました。
吉田山を3分で下山
住宅街にもまだたくさんの人が
ああー消えちゃうなー
来年は北山でお隣の「妙法」を見ようかしら、それとも嵐山まで行って「鳥居」を見ようかしら。祇園祭に次ぐ京都の夏の大イベント、なるほどダイナミックで刹那的でとても楽しかったです。
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