今日の旅メモ(蛋餅、希望広場、充電、淡水、台北ランタンフェスティバル、そして延長戦へ)
朝8時起床で、昨晩からチビチビ始めたパッキングのつづき。預け荷物にするバックパックにごま油や缶やお菓子を詰めて、持参したプラバッグには麺やヂェン先生などの軽いものや壊れやすいもの。ガバッと開けられるフロントローディングのバックパックはやっぱりこういうときに無駄な隙間が一目瞭然なのがメリットだなあ。また夜戻ってきて出発直前にもう一度詰め直すつもり。そしてラウンジの冷凍庫に「フライト前に凍らせてます、今晩引き取ります 謝謝」とメモを貼り付けて入れて置いた餃子皮も忘れてはならない…。
9時過ぎに人気の朝食店「沒事”早事”坐」でインファちゃんと待ち合わせ。拙著『そうだ、台湾いこう』にも登場するわたしの中文老師、語学オタクのインファちゃんは、あれから一年経って無事にウイーン、コロン(ドイツ)、アンティグア(グアテマラ)での語学修行を終えて2週間前に帰ってきたばかりなのだった。おひさしぶりー!一年経つのって早いねえ!
わたしは無糖の熱ドージャンとチーズ蛋餅、あと隣の人が食べててなんか美味しそうだった鉄板烏龍麺もシェアしよう。今回はホントに蛋餅ばかり食べていますが、ここのチーズ蛋餅はチーズが濃い!洪記ほどパリパリクリスピーではないけど、チーズと卵の厚みにボリュームがあってとってもわたし好み。これは確実にリピートするな。謎の烏龍麺はケチャップとソースの間の味がする炒め細うどんみたいなもんだった。
ひとくちに留学といえどもなかなか大変だったようで、例えばホームステイ先のルームメイトが大酒飲んだり友達を連れ込んで騒いだり大麻やったりしてどうしようもなかったり、グアテマラの生活水準が低いので満足に食べさせてもらえないホームステイ先の子がいたりして、語学学習には最適な環境でも生活となるとなかなか難しいことがたくさんあったみたい。
今後は五ヶ国語(英日独仏西)のブラッシュアップをして外資系に行きたいんだってさ。お互いがんばろう。近況報告で楽しく過ごしたあと、彼女は南港公園のバスケットコート横にあるらしいパワースポットにお参りに行くといい(恋や仕事の運気が上がるとの噂)、わたしは歩いて希望広場に行くことにした。またそのうち会いましょう!
せっかくの土日なので希望広場を見に行こう。以前天和鮮物へ行くのに通りかかった時に不審な広場があったので「ファーマーズマーケットの匂いがするな…」と調べておいたのだ。台湾のあちこちで取れた新鮮な果物やお米や蜂蜜、野菜、たまご、海産物などなどのプロダクトが売られていて、隣接した露店でごはんも食べられるよ。
今回は荷物預けだしせっかくだから色々買いたい気持ちは山々だけどさすがにあまりに生々しくて検疫で引っかかりそうだし、いい製品は少しお高めなのでニコニコウインドーショッピングすることにした。それでも山のような棗や芋やバナナを見るだけでも楽しいので良いのだ。ホカホカのトウモロコシが売っていたので35元で一本買ったけど、日本のとはまるで違っていて栗のようなホクホク感があるものの皮が厚いし甘みもほとんどないのでわたしにはイマイチだった。
座っていたら隣のテーブルのご婦人から声をかけられた。これはおそらく…トイレに行くのでこの編みかけのニットを見といて欲しい、と言っているな?オッケー。帰ってきたご婦人は甘いパイナップルを買ってきてお食べお食べと勧めてくれてお腹いっぱいになった。京都在住というのは何気に台湾人には非常にウケがいい。だいたいの人が行ったことあるー!ってなるのでコミュニケーションとりやすい。ご婦人の娘さんの京都旅行の写真をたくさん見せてもらった。へえ、鳥羽までいくんやなー。
さて、これでもまだ11時半。今晩の深夜移動まで暇だしもはや昼寝をする宿もなし…遠出して淡水まで行ってみるか、と台北駅まで来たけれどここでモバイルバッテリーが動作不良。うーむこれは困った。ケーブル?本体?どっちが壊れた?ひとまず落ち着こうと台北駅のメトロショップに入った。
が、ここが思いのほか充実していて、買いそびれた平渓のマグネットをサンリオが出しているのを見つけて選びきれず3つまとめ買い。キティ、キキララ、ドラえもんがランタンを上げている平渓モチーフのマグネット。バッドばつ丸とポムポムプリンもあったけどあんまり可愛くないのでパスした(笑)すごいなあ、台北各地をキキララやキティちゃんが観光してるイラスト、結構バリエーションあるよ。キティちゃん、中正紀念堂でピクニックしてるよ?アジアとサンリオの癒着がすごい。
ついでに正規品のスマホ用ライトニングケーブルもなぜか売っていたので高い(1500円!)けどやむなく買って交換してみた、けどいくら確認しても充電できず。あちゃーお値段高かったのに悪いのはケーブルの方じゃないのか…どうやら壊れたのは本体らしい。最終日とはいえ痛いなあ。
そこで、ふと思い出して台北駅の「充電站」でひとまず70パーまでスマホをチャージ。ここはその名の通り充電できるステーションでUSBとコンセントが並ぶ素晴らしいエリア。日本にもたくさんこんなのが出来たらいいのにと思う。充電スピードは遅いけど無料なので文句は言えません。ここで1時間充電してタイムロス。むはー。
さて、じゃあ行くかとふと見るとそこに非正規品のチャイナなケーブルを売る店が。安っ!目と鼻の先で300円で売ってたのに、わたしなんでさっきこの店に気づかなかったの…よっぽど慌ててたのね…。ここで格安ケーブルを物色したついでに店員のお姉さんに壊れたモバイルバッテリーを渡すと、いろいろ試してみてくれた。ら、お姉さんのスマホに繋いだとたんに元どおり。一旦正常に通電したら戻ったらしい。キー!あんなにさっきまでうんともすんとも言わなかったのに!こいつめー!1500円と1時間のロスを返せー!
気を取り直して台北郊外の港町『淡水』へ。ソールの薄いカンフーシューズはダイレクトに足にくるので、すでに足はなかなかの疲れ具合。日曜でたくさんの人が観光に来ているけれど、着いた途端に小雨が降ったりやんだりで淡水らしい河辺の観光は難しそうだ。駅前から始まる狭い淡水老街は両側に露店が並んで、名物のイカフライやら細長いソフトクリームやら食べ歩きのためのストリート。なんか、関内と山下公園とアメ横足したみたいな感じやね。
マカイ先生像の横の「碳錢胡椒餅」に行列が出来ていたので並んだみたけど、ハマった。父娘で少しづつ炭焼きしてるもんだからまあ進まない進まない!一回焼けても5人ぐらいしか減らず、行列は伸びて30人程がひたすら待っている状況だった。こんなに焼けないもんですか、胡椒餅って…!大幅に気力体力を消耗しながら買ったのは赤肉とバラ肉の胡椒餅一個づつ(各40元)。しかしこれが待ちまくったせいもあってか存外にうまかった…。バリバリっとした皮にたっぷり入ったネギが効いてる。赤肉は旨味があって固めの食感、バラ肉はゴロッとしてて油がほどよく満足感。どっちも美味しいな。評判がいいのよくわかりました。でもあの行列は長すぎる…!
さらに近くの「可口魚丸」で肉まん(10元)と魚丸湯(35元)でハシゴ。つみれの中には多分肉まんと同じ具が入っててブリブリのつみれと絶妙なコンビネーション。スープは昆布とつみれだけですか?ぐらいの薄さだけど、甘みと脂身の効いたあんが詰まった肉まんも食べているのであんまり気にならない。これで165円とは、なんとも羨ましい。店頭で売っている持ち帰り用のあん入りつみれがドンドン売れていた。
雨も上がってうっすら日のさす中、紅毛城まで歩いて観光。台湾の歴史は全くわからないけど、安平古堡や淡水のような港町に来ると必ずオランダ統治やスペインの侵略などのヒストリーが出てくるよね。このお城はのちに英国領事館になったそうで、ヨーロピアンなお部屋が展示されていました。ステキなポイントが沢山あるので、コリアンの撮影合戦がすごかった…!
夕日が傾く頃になって海がキラキラ輝くと堤防にも若者が大勢座り込んで青春サンセット。淡水らしい景色になってよかった。川沿いにはどっさりカフェがあり、どこのお店もテラスがあって海に面した席が売り。おばさんは水辺に面して長屋状に並んだ店のひとつ「bar Prost」のカウンターでタイガービールを飲みながらまったり。
淡水はたしかに土日に来て川沿いをそぞろ歩きからのカフェお茶でサンセットってのが素敵なコースでしょうねー。もっとなんもないかと思っていたけど思ったより楽しかった。次は晴れた日のサイクリングロードに行きたいです。
駅に戻りがてらどうしても心残りだった名物「阿給」(40元)を食べる。みたことのない茶色い物体「アゲイ」はおあげの中に春雨を詰め込み練り物で蓋をして蒸した小吃。甘辛いタレに浸かって出てきます。食べると味付けこそ違えど、まさにおでんの具。これ自家製で作ってお鍋に入れたらなんの違和感もないし、なんとか作れそうだなあ。ちなみにあとで調べたら「揚げ」から来たネーミングなんだって。なんと、そのまんまだったか!
さて、18時に淡水観光を終えて電車で西門駅に移動。この時期は台北でもランタンフェスティバルがやっているので見に行きましょう。といっても飛ばすわけではなく、ねぷたみたいな設置型ランタンが飾ってある雪まつり的な展示イベント。西門駅を出るとすぐピカピカのデコレーション。ランタンってわけじゃないけど、いろんな電飾のライトアップが向かって点々とほどこされていて、写真を撮りながらそぞろ歩きのお祭りになっていた。
神戸市や松山市、弘前ねぷたなど日本のブースとランタンも幾つか出店されていて「あら道後温泉」「あら、ほんとにねぷた」と都度都度ほっこり。特に松山市テントではダーツ銃で日本地図の松山をビタッと打ち当てるとプレゼント、というイベントをやっていて長蛇の列ができておりました。みんな松山狙って銃を構えてるのシュール(笑)
さてボチボチ帰りの準備をするか、と以前行った台湾足裏養生館にて格安マッサージ。ナイトフライトに備えて足裏40分コースで整えて、台北駅に寄って日本に持ち帰る用のポメロ&アールグレイパンを買おうと楽田麺包屋を探したら見事に違うパン屋さんになっていた・・・ので、しょうがないから三星葱パンを買う。このあとは、王おじちゃんやみんなにサヨナラしてラウンジで時間を潰して宿の前から深夜バスに乗って空港へ行く。
・・・・と思ったら道すがら携帯にメール受信。1時間前にバニラエアから来ていたメールのタイトル、「欠航のお詫びとご案内」・・・・えっ!?えっ?なんと理由は「機材ぐり」という何とも納得できない一言のみ。完全にパニックになって乗り継ぎするところを一旦外に出てしまってまた戻り、ひとまず宿に戻る。
そのままリンクで払い戻しor日程変更(一度のみ)が出来るとのことなのだけど、わたしはマイレージで予約したフライトのためか「空港または予約センターで承ります」とのあまりにも空気を読まない一言がポップアップ表示されるのみ。しかも電話は国際通話となります有料です、とのこと。やばい。やばいぞ。穴にハマったなこれは。
ひどく混乱したまま宿に入るや否や「I NEED YOUR HELP!」と受付の気さくな兄ちゃんに事情を話して(ワオ、って言われたw)空港や台湾支店に電話してもらうが当然応答ナシ。日本にも連絡して電話をかけてもらったけどこれまた通話中のツーツーで時間外だろうとのこと。シットだなー。マイレージ旅客のすみやかなヘルプはゼロなわけだ。バニラめ・・・・・燃えてしまえ・・・・おそらく原因は北海道や東北の荒天で相次いだ欠航の影響だと思う。
そんなわたしの慌てぶりをよそに、事情を話した王おじちゃんは「ドンウォーリードンウォーリー」「何か電話が必要だったらわたしの電話を使いなさいね、料金フリーだから」とまずは飲めとばかりにビールを手渡しながらありがたいお言葉。四川省ガールは「じゃあ住んだらいいねケケケ」と笑うし、謎の女は「イチニチなのーもっとねー!」と更なる延泊を勧めてくる(笑)今日から新しく加わったオーストラリア女性には「パニックになっても何も進まないもんよ!」と初対面でごもっともなアドバイスをいただいた。幸い同じベッドが空いていて一泊1900円。今から日本に向かうのを楽しみにしていた台湾人とか、いいホテルに泊まってて延泊もややこしい日本人に比べたら、わたしなんて大した予定もなかったフリーランスなんだから仕方ないよね、ともう開き直ることにした。それにしても急だよなあ、他の人どうしてんだろ。
こんばんは、不肖杉森帰ってまいりました。朝出た同じベッドに逆もどり。延長戦のはじまり。明日の朝電話したのでは、なんとなくもう明日のフライトもいっぱいな気がするんだよな・・・とまずすべての洗濯物をランドリーにぶち込んで洗濯。着るものないからノーパンなうだよ。そんなわたしに王おじちゃんは「腹減ってないか?」と何度も聞いて、とっておきの烏龍茶の封をあけて深夜の一杯をいれてくれた。
もう今回行きたいところもないし、お金も厳しいし、嬉しそうに葱パン買っちゃったし、びっちり荷物パッキングしたのまた開けてだいぶしらけてるけど、まあ、もう!いいか!住むわ!
つづく。