そうだ、ロンドンでオアシス見よう

今日の旅メモ(OasisLive’25)

16:00、オックスフォードストリートの百貨店、ジョン・ルイスで今のうちにとトイレを済ませてジュビリーラインに乗る。ウェンブリーパークまで45分。オアシスのTシャツを着た輩が次々に乗ってくる。ウェンブリーパーク駅に着いたときには、ホームで既にコロナの瓶を飲み干している女の人もいて、しっかりとラッド大集合という感じ。

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改札の外に出ると、10分ほど歩いた向こうにウェンブリーのシンボルのアーチとライブのメインビジュアルが見えて、俄然高まる。みんな写真を撮っている。「ウェンブリーへいらっしゃーい!」と拡声器であおるついでに注意事項を促すセキュリティーの皆さんに階段降りながら「ウェーイ!」で返す。

巨大スクリーンには、公式スポンサーSpecsavers(眼鏡屋)から「The Original Blur rivals」の広告、これは1990年代のOasis vs Blurのライバル関係を連想させつつ、視力が悪くて“blur”(ぼやけた)な状態をライバル視するというイギリスらしいダブルミーニングの広告コピー。

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道中には結構大々的にオリジナルバッタモングッズ屋が出ていて、ちょっとびっくり。肖像を使わずに曲名やメンバーの名前だけでグッズを作る分には問題ないのか。セキュリティーの人に聞くと、荷物を預ける場所が1番奥のほうにあると言う事だったので向かう。10ポンド必要だけどそこはやむを得ないと思って買い物してきたので。

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会場までには長い長いプロムナードの一本道があってスタジアムのスクリーンに映されたライブのタイトルとギャラガー兄弟のビジュアルが駅からでも見える。近づくほどに高まっていくライブ感。

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17:00開場時間。バックドロップまでの途中、オフィシャルマーチャンダイズショップに並んでロンドン公演エクスクルーシブのTシャツを購入する。背中にその時々の色で都市名がプリントされてるやつ。ちなみに昨日アディダスで見た三本線ジャージなどはここで買うと特別にロンドンUKという刺繍が施されているのだけど、サイズもないしこの歳でダブダブのジャージを切るとマジでオバハン感が半端ないのでやめといた。

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会場を横目にさらに奥に進むとアウトレットモールがあった。いつもイギリスから通販で買っているNEXTの子供服もあるので、パジャマでも無いかしらとつい覗いたけど、収穫なし。

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ウェンブリーの裏手のバゲージドロップでQRを読み込みテントに荷物を預ける。今回はA4サイズ以下でとにかく少ない荷物が推奨されており、カメラ含むほとんどの持ち物を預けなくてはならず。不安ながらもパッキングし直してパスポートや最低限のもの以外は全部持参した大きめのトートバッグに入れた。ここでVAで購入したウィリアムモリスのトートバッグが会場に持ち込むバッグに役立つことに。

付近のお店はいっぱいで既に泥酔者多数。特にビール飲める店のテラスはもう満員でえらいことになっている。よくそこまでしてビール飲むなあ。会場は色でゾーニングされていて、私はグリーンのゲートから入った。ふと思い出して持ってきたローソンのひと口大福をパクパク食べる。頼むぞ、餅。

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18:00、スタジアムに入る手前にファンゾーン。コピーバンドが懐かしの曲を爆音でコピーしていて、すでにシンガロンが始まっている。バーにはビールやワインのほかに、ウイスキーコークとか、カクテルとか酒の種類があってみんな飲みながら大合唱していて、全然会場に向かわず。中ではもうすでに前座のCASTが始まっている。とは言え、このファンゾーン文化は日本にもあまりなさそうなので、私もサイダーハーフ片手に紛れ込んでみた。このサイダーがめちゃ甘くて大失敗。こういうの日本であっても面白いと思うけど、これぐらいライブ前に酒飲み倒すお国柄じゃないと、ここまで盛り上がらんだろうな。

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18:30、スタジアム入場。
QRチケットを読み込ませて金属探知機を通り、バックの中身を見せて入場すると、そこはもう巨大なパブのような空間だった。例えばSnowManドーム公演などはアルコールはなくモスバーガーや唐揚げやポテトなどのスナック類が少々ある程度。野球の時も、どちらかというとがっつり食べる系のフードが軒を連ねている印象だと思うけど、もうなんか9割方が酒だった。

ビールやカクテルはもちろん、たまーにシャンパンとかフィズ(泡)のブースもある。スナックもあるけど目立たない。壁側全部がビールを売っているといっていい。私がマンチェスターですっかりトラウマになった「1パイントビールのプラカップ4個持ち」がこの大混雑の中でウロウロしていてめちゃくちゃ怖い。でかいおっさんたちが既にテンション高く酔っ払っていてとにかく声がでかい。その割にぶつかったり足を踏んだりすると、速攻Sorry!と言うのがすごくイギリスっぽいんだよね。

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私のゲート116番の近くでせっかくなのでアストラのビール1パイントを買っていよいよ座席に向かう。

うわあーーーーーー

ヨーロッパで2番目、90,000人以上収容するウェンブリースタジアムは開いたドームの天井から夕日が差し込んで何とも言えない開放感と美しさだった。私の座席は低層スタンドでとっても見やすくて最高。しかも出口に近いし、通路に近い、すなわちトイレに行きやすい。お隣は私より少し年齢が老夫婦でニコニコ目を合わせてご挨拶。ほどなくもう片方には若いアジア人カップルがやってきた。どうしようもなく酔っ払って大声で歌い出してるような人は周りにいなくてまずはひと安心。

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19:00からは元ザ・ヴァーヴのリチャード・アシュクロフトのゲストアクト。私はあんまりバーブにハマらなかったけどボーカルの顔はよく覚えてるお久しぶりです。こんなに歌った感じ熱めの長渕っぽかったかな。最後にみなヒット曲ビタースウィートをシンガロン。

19:40、隣のおばちゃんがトイレに行くついでにわたしも大行列にジョイン。みんなビールをがぶがぶ飲みながらトイレに並んでるので漏斗みたいだなと思う。回転良く開演前にセーフ。隣のカップルにお願いしてステージバックに写真を撮ってもらう、がスマホを縦型に撮るのでちょっとだけ「こんだけ広いならそこは横やろ」と思いながら微笑んでいた。

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20:15、オエイシス開演。
出囃子(言い方)が各地仕様になっていて「LONDON」という文字が最後に大写しになってメンバーが出てくるの、超かっこいい。ヴォーーーーーと高まるオーディエンスの大歓声。

すでにセットリストは知っていて一曲目は「Hello」。リアムは、あのリアムが、今回はツアーのためにお酒を絶って代わりにりんご酢ドリンクを飲んでいると言うのだから声は絶好調で、でもあの立ち姿は健在で、あまり30年前と印象が変わらなかった。

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あの有名なウェンブリースタジアムで90,000人の1人になって、あのオアシスのライブをイギリスで見ているなんて、20歳の私は夢にも思わなかったなと感慨深い気持ちになって2曲目の「Acquiesce」でうっすらウルッと来てしまった。サビの兄貴の歌もめちゃくちゃ上手い。昔のクオリティ超えてくるってさすがのレジェンドバンドだよ。

3曲目の「Morning Glory」は当時のアルバムのメイン曲でこの歌詞はさすがに完全に覚えている。やっぱり有名な曲はイントロから盛り上がるものでそれはもう大合唱のシンガロン。大カラオケ大会なのだった。スタンドの構造のせいかもしれないけど、その割に他の人の歌ってる声が邪魔になることは全くなくて、ステージの音もちゃんと聞こえるので、なんだかのびのびと歌ってしまう。人生でここまで大声でオアシスを歌った事はないくらいガンガン声を張り上げて歌って、何しろカラオケ音源はご本人なので、それはもう気持ちが良かった。スタンディングエリアの方が、多分お前の歌声しか聞こえない大会になってるんじゃないかと思う。

「Cigarettes And Alcohol」ではリアムが何やら曲の前に話してて何が何やら全く聞き取れなかったけど、事前によくネットで見ていたイントロでみんなで後ろ向きに肩を組んでジャンプする『ポズナン』ってやつだなと理解して見よう見まねで隣のカップルと笑いながら肩を組んで飛び跳ねた。サッカーの応援パフォーマンスの1つらしいけど、なんでこの曲でこれをやるのか知らない。マンチェスターシティがやってるらしいのでそれもまたオエイシスのお作法のひとつってことだね。

だんだん日が暮れると、スタジアムのシンボルのリングと天井のフチの部分にぐるりとライトがついて、曲のたびに赤や青に変わる。スタンド3階4階席のお客さんがスマホのライトをつけ始めて、星空みたいにキラキラしてとてもきれいだった。

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ステージと同じくらい客席を見ているのも楽しくて、同じような世代の中年のおっさんおばさんが楽しそうに歌ってるのを見て、なんだかほっこりするのだった。隣の席のおばちゃんはあまりよくオアシスのことをわかってないっぽい旦那さんを置き去りにして、1人でずっとビール片手に歌いながら踊っていた。私の前の3人組のおっさんは多分同世代なんだと思う、同窓会みたいに肩を組んで「キターこの曲やねん!」みたいになっててとっても楽しそうで微笑ましかった。

心配していたトイレは意外と大丈夫で、でも割とみんな道を譲り合ってトイレに行くし、普通にライブ中でもビールを買いに行って1パイントの4連カップを持って帰ってきたりしていた。漏斗だ。何なら斜め前のおっさんは途中でいなくなったと思ったらグッズのTシャツを買って着て帰ってきていた。じっとライブ見てるだけじゃなくて結構な人数が出入りを常にしているかんじ。

ただし盛り上がりにつれビールをこぼす人も出始めて、私のカバンはギリギリセーフだったけど床がびしょびしょになっているのも散見された。一度うっすらしぶきみたいなのを感じて「ヒィ来た」と怯えたけど、用意してきたカッパを着るほどではなくて助かった。スタンドの前の方やスタンディングエリアでは、時折、鯨の潮吹きみたいにビールらしきものがブワッ!と空中に垂直に吹き出していて、あれは何がどうなったらああなるのかさっぱり意味がわからない。

わたしのほうはといえば早朝5時位から起きているわけなので、1日の疲れがどっと押し寄せてきて、中盤でかなり眠くなってしまい椅子に寄り掛かって「Cast No Shadow」あたりの数曲でしばらく目を閉じてしまった。眠い眠い。しかしながらここで寝こけていては、私は何のためにロンドンまで来たのかと必死でまぶたをこじ開けようとしたところでかの「Whatever」、からの「Live forever」そして最後に「Rock’n’roll star」と初期の名曲を畳みかけてきて目が覚めた。この辺は大学生の時に本当によく聞いていたので、懐かしくてまたうるっと涙が出そうになった。

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アンコールの「Don’t look back in anger」は言わずもがなの大合唱。国家斉唱とも言われている。ノエルもサビをみんなに歌わせたりするので90,000人全員が「ソーーーーサリーキャンウェーーーイ」で一体感が半端ない。みんなで歌うシンガロンの気持ちよさを存分に味わえる曲が多いのはさすが国民的バンド、オエイシスだなと思う。最後の「Champagne Supernova」が終わるとウェンブリースタジアムの上に花火が上がってオールセット。2時間のライブが終わった。

オアシスをかの有名なウェンブリースタジアムで見られてこの空気感を味わえたのが本当によかった。多分これが聖地マンチェスターにまたもや赴いていたとしたら、今頃またビールでびしょびしょの地面とスタンディングのカオスでぐったりしていた可能性が高い。絶対そう。私は今回ロンドンを選んでほんとによかったと思う。いやあ、本当に再結成したんだねえ。

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22:15、さて終演後の感慨や感動にひたる時間など1ミリもなく客電がつくかつかないか位で振り返ることなく座席を後にして退場する。何せ90,000人が一斉に帰るわけで、さらに私は会場の僻地のテントまで預けた荷物を取りに行ってから駅に向かうと言うハンデを背負っている。日本でよくある規制退場は特になかった。ひたすら小走りでバックドロップテントまで急ぐ。もらったレシートのQRで照合して荷物を受けとり、そそくさと駅まで向かうと長い一本道のプロムナードは信じられないぐらい駅までぴっちりと人で埋まっていた。

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この人数全部はけないと電車に乗れないのか…と絶望的な気持ちになる。体はすっかり疲れていて、ハムリーズで買ったおもちゃの入った荷物も重い。そして眠い。さらにはお腹もパンパンでできればトイレに行きたいぐらい。ただし尿意はそれほどなかったので、多分これはローソンのひと口大福が効果を発揮しているんだろうなと思った。知らんけど。

23:00からプロムナードで並び始めてじわじわとブロックごとに誘導されて駅に進む。警備のおじさんが拡声器でスマホのオアシスの曲を流し始めてみんなでまた歌い出す。スタジアムでの規制退場はなかったけどここで規制がかかっている感じになるんだな、この一本道もそのために設計されたのかもしれない。しかし、それにしても進みが遅い。限界すぎる。

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23:40、既に終演から1時間以上が経って、やっと駅のホームにたどり着き地下鉄を1本見送って、ぎゅうぎゅうの電車に乗り込む。幸い何とか座席をゲットしてへたり込んで座った。ここからさらに地下鉄を乗り継いで50分ほどホテルまでかかる。こんな時間なので、ぼんやりしていると電車もなくなってしまうから油断できない。 
   
結局アールズコートに着いたのは0:45、終演から2時間半後だった。さすがにさいたまスーパーアリーナでもここまで遠くない。ウェンブリースタジアムでコンサートをやる大御所は少なくないと思うけど、毎度こんな時間帯でやってるのかな?もうちょい開演を早めてくれないと無理くない?

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こんなにゾンビみたいになってコンサートから帰ってきたのは初めてだった。かろうじて熱いシャワーを浴びて、つけ置きしておいた洗濯物を洗って倒れ込むように寝る。長い長い1日が終わった。楽しかった。ロンドンまで無理してきて、やっぱりよかったな。

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