京都 祇園甲部「都をどり」を見にいこう
少し前の話になってしまいました。京都五花街の「をどり」第三弾は一番規模の大きな祇園甲部(ぎおんこうぶ)の「都をどり」。京都の「をどり」と言えば「都をどり」、みたいな感じもあるのでこういうのはみんな都をどりだと思ってる人もいるかもね。去年と今年は歌舞練場工事中につき春秋劇場で行われているのを見に行ってきました。
祇園甲部は「祇園」という名前でだいたい想像されるメジャーエリアで、みんな大好き花見小路をメインストリートにした八坂神社前の一帯界隈。知名度も高い、京都最大の花街。レンタル着物の女子と外国人観光客がおそろしく密集しているザ・祇園ってかんじのエリアですね。
今年も会場は春秋座でした
歌舞練場耐震工事のため、昨年からは祇園よりずっと北の方にある京都芸術劇場「春秋座」での公演。ヤバかったよすっかり会場違うの忘れてて超ギリギリでタクシー乗っちゃったよフウ。こちらは京都造形芸術大学瓜生山キャンパス内にある劇場でして、大学感溢れる広々とした会場でした。
劇場らしい大きなお出迎え
おしゃれカフェも併設
普通のコンサート規模
都をどりのチケットと当日券
お取り置き上等というあまりにアナログ仕立てな「をどり」チケット購入方法ですが、都をどりは違う!さすが!最もイマドキである意味最も普通なチケット販売で大変助かりました。歌舞伎のWEB松竹とかと同じ、ウェブサイト購入が可能ですイエーー。
種類こそ「茶券付特等観覧券 4600円」「壱等観覧券 3500円」の二種類しかありませんけれども、日付や公演時間を選択し、ブロック選択、空席選択、と確実な指定席が確保可能。さらに支払いも発券もセブンイレブン対応!文句ナシ!これは事前に予定も立てやすいから観光客にもフレンドリーだし、間口の広さに直結するのではなかろうか。
雑貨から老舗和菓子まで充実のお買い物
会場が広いので売店ゾーンもガッツリ充実。老舗和菓子店はもちろん、お衣装の生地からこしらえたポーチやバッグ、造形大学生とコラボしたイラストグッズなんかもあって、人だかりの絶えない賑やかな売店ゾーンだった。あ!そうそうこたべ都をどりバージョンも売っていました。そんなの出してたなんて知らなかったわ。
ちなみにわたしはウロウロした末、都をどりクリアファイルを買ってしまいました。記念とはいえ、ちょっと目立ちすぎるわね・・・どこに行っても最も安価なクリアファイルを買って帰ってくるので、家にはちょっとエキセントリックなクリアファイルが溜まっています。
舞妓さんお茶席も流れ作業規模
今回はお茶席付きのチケットを買ったのだ!ということで、到着してすみやかにお茶席へ。が、これがまた都をどりともなると大規模なもので、めっちゃ流れ作業のわんこそばみたいなお茶席だった(笑)上七軒に行ったときは、歌舞練場のお二階のお座敷に通されるひそやかな雰囲気が羨ましかったんだけどな、お茶席チケットの発動タイミングはここじゃなかったな!
ガンガンお茶席に流される
売店横の大量のパイプ椅子で待合い
お菓子はとらやのお饅頭「春をどる」
会場の奥にこれまた大量のベンチが備えられており、ここに通されると自動的にお着物姿の給仕さんからハイハイとお抹茶とお饅頭がサーブされる仕組み。最前列のステージでは舞妓さんと芸妓さんがお茶をたてているのですが当然わたしらのではないし、直接運んでいただけるわけでもないし、そもそも人が多すぎて全然見えないし(笑)なんともせわしいお茶席なのでした。
よっしゃ緑キター
団子の紋が入ったお皿の裏には都をどりの文字。このお皿は持って帰れるのですが、どうやら赤藍茶など五色ほどあるらしい。ミドレンジャーのわたしは「みどりみどりみどり」とお給仕さんのお盆に念じまくり、果たして見事緑だんごのお皿がやってきたのでした。やったー。(でも別の色が来てもきっとみどりくださいってゆってた)
京都造形大学とのコラボ具合がすごい
せっかく大学のキャンパス内劇場でやるんだし、ということなのか全方位的に学生とのコラボが見受けられてなんとも斬新だった。染織科の皆さんが緞帳染めてたり、理系の皆さんがARで舞妓さんと写真撮れるアプリ開発してたり、チャレンジング。
バーチャルでなら舞妓さんと撮り放題
会場二階には舞妓さんの等身大パネルがあって、学生さんのインタビュー動画がずーっと流れてた。普段何してるんですか、どこのご出身ですか、将来は、なんていう素朴な質問にちゃんと答えている舞妓さんたちを見るとお化粧しているときにはとてもわからないティーンネイジャーそのものの初々しさがあって、親しみが湧く、っていうか親戚みたいな気持ちになったわい。
ひとりひとりの素顔も公開
並ぶと壮観!な祇園甲部の舞妓さんたち
小さな歌舞練場も雰囲気あるけど、これはこれでまたアリだなあって思いました。やっぱり人数規模が大きいと革新的なところに手を伸ばす余裕があるってことなのかしらね。
さすが都をどり、華やかで迫力ある舞台
「都をどりは〜」「ヨーイヤサー」という名物の掛け声で花道から一斉に出てくる揃いの青い着物の舞妓さんたち。人数も多いし、なんというか独特の華やかさがあってすっかり目を奪われてしまいました。ずらりと並んだお囃子の芸妓さんたちも同じお衣装で、まあなんと豪華なこと。
演目の「続洛北名跡巡」はまず京都の四季をモチーフにした長唄の四幕があり、その後はアンデルセン童話『雪の女王』をモチーフにした浄瑠璃が。この辺は舞台美術の方に学生さんが関わっているとかで、いいよねえ学生さんたちラッキーなことだよねえ。
をどりは舞台美術もとっても楽しみなんだけど、都をどりは一部の舞台上の丸窓や背景がやたらキレイだったので「ん?」とよく目を凝らすとフルでLEDだか有機ELだかのパネルが仕込まれて映像になっており、あまりのハイパー度合いに笑っちゃった。すげえ。
わたしはちなみにうまい具合に空いてた席をゲットできたので真ん中辺りの4列目というお席だったのですが、ちょっと前過ぎた感あり。をどりは花道も面白いので、もうちょっと全体が見渡せる10列目ぐらいのお席がベターだったかも、というのが次回への反省点。ただ、席も取りやすいし都をどりは規模が大きくてわかりやすいので初心者にはピッタリでした。うーん、また見たい。
祇園甲部歌舞練場に草間彌生ワールド
さて、耐震工事中の歌舞練場は都をどりのチケットがあるといろいろ見て回れるとのことだったので帰りには花見小路へ寄り道。ちょうど草間彌生の展示やってまして、ど真ん前に水玉かぼちゃが鎮座しているというなんともいえない空間になっておりました。
祇園甲部歌舞練場はこちらです
かぼちゃバーン!
二階では都をどりの特別展としてステージ上で舞妓さんと芸妓さんの踊り披露が。ちょうど時間のタイミングがぴったりだったのでレンタル着物外人にまぎれてわたしも鑑賞。公演で使われている小物の展示も素晴らしかった。わたしこういうちまちました小物見るの好きなの〜。
ここは突然おしゃれカフェがあったり、広いお庭を見て回れたり、御用がなくても普通にレトロな建物探訪としてとても面白いところでした。普段は通り過ぎるだけなので、こういう機会についでに見られてよかった!
急にブルックリンスタイル
和むお庭
弁当は高かったのでもっと働いていつか食べます
やっぱり一度は見ておきたい都をどり
をどりも三回目になって見慣れたかと思いきややっぱり祇園甲部の大きさは随分他と違ってた。春の京都に来て和っぽさを求めるなら絶対見たほうがいい。二年の春秋座での公演を終えて、いよいよ2019年は秋に改修工事を終えてこけら落としとなる京都・南座での公演ですってよ。は~これはこれでまた行かなくちゃな〜!
つづく。
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